京都の屋根職人が解説!「屋根修理」と「屋根塗装」どちらがお得?

京都の屋根職人が解説!「屋根修理」と「屋根塗装」どちらがお得?

2024/03/01

屋根材が劣化してくると補修メンテナンスが必要となるのですが、そんな時に「屋根修理」と「屋根塗装」ではどちらがお得なのか?と悩まれる方いらっしゃいませんか?
ここでは屋根修理、屋根塗装のそれぞれの特徴やメリットなどについてご紹介していきたいと思います。

基本的にどちらがおすすめなのか

屋根修理と屋根塗装ではそれぞれにメリット、デメリットがあります。
それらについては後で細かく紹介しますが、単刀直入にお得なのは「屋根修理」だと言えます。

屋根塗装を行う場合はできる屋根材がスレート屋根などある程度限られており、どんな屋根材にでもできるというわけではありません。
また、よく勘違いされがちなポイントとしては

※塗装をし直すことで見た目は非常に綺麗になりますが、屋根材が重なっている部分については塗装を行うことができず、その部分は劣化したままという事実です。
この塗装できていない重なり部分、継ぎ目部分から雨水が浸入してしまうということもあります。
一時的な補修、機能回復という点では良いかもしれませんが、長い目で見れば「葺き替え」「カバー工法」のような補修工事を行った方が良いと言えます。

また、塗装の際にはしっかりと縁切りしないと重なり部分に隙間がなくなってしまい、水分が排出されることがなくなることで雨漏りが悪化してしまうことがあります。
そういったリスクも踏まえて考えるとやはり屋根修理の方が確実で安心できると言えます。

屋根塗装を行うことができる屋根材とは

屋根材の素材によっては定期的に塗装メンテナンスを行う必要があるものがあります。
こうした素材の屋根材は塗装を行うことができるので、定期的に塗装をし直すことで効果が回復します。

化粧スレート

スレートとは薄い板状の屋根材を指します。
天然石を使った天然スレートと、人工的に作り出した化粧スレートがありますが、一般的にスレートというと化粧スレートのことを指しています。
スレートは軽量で丈夫であるため、日本では阪神淡路大震災の後に急激に普及していきました。
カラーベスト」「コロニアル」などに代表される化粧スレートは屋根材の表面部分に塗装がなされています。

そうした塗装は経年劣化していきますので、スレートの強度や耐久性を維持していくためには8~15年程度の間に塗装をし直す必要があります。
また、その期間が経つ前でも色褪せしている表面に剥がれがあるひび割れしているといった症状が見られた時にはすぐに塗装メンテナンスをする必要があります。
※20年以上の期間が経ってスレート自体が劣化してくると塗装ができない状態になることもあるため、できるだけ定期的に塗装メンテナンスを行うようにしましょう。
ただ、スレートは薄い板状の屋根材となっているため、割れやすいという特徴があります。
※スレートがズレている、欠ける、反っている、破損しているということがあった場合は塗装メンテナンスではなく、交換作業を行った方が良いでしょう。

〈スレート屋根の施工事例〉

▷京都市右京区にて屋根カバー工法〈アスファルトシングルから平葺き200〉

▷京都市右京区にてスレート屋根カバー工法

▷京都市伏見区上鳥羽にてカバー工法〈カラーベストからガルバリウム鋼板〉

金属製の屋根材

日本では昔からトタン屋根などが広く使われてきていましたが、最近ではガルバリウム鋼板、エスジーエル鋼板などの金属屋根が急激に普及してきています。
これらの素材は軽量で耐久性が高く、性能の高さが評判となっています。
これらの金属屋根でも表面に塗装がなされている場合は塗装メンテナンスが必要となってきます。
金属製の屋根材は太陽光などの熱を吸収しやすいという特徴があるため、それを防ぐために「遮熱」「断熱」効果のある塗料が利用されることが多くなっています。
塗装メンテナンスを行う際にもこうした塗料を選んでいくと良いでしょう。

〈金属屋根の施工事例〉

▷京都市左京区岩倉にて屋根修理〈シングル屋根葺き替え〉

▷京都市右京区にてトタン屋根雨漏り修理

▷京都市北区にて雨漏り修理〈折板屋根張り替え〉

モニエル瓦

モニエル瓦は「乾式コンクリート」と呼ばれることもある屋根瓦です。
モニエル瓦も塗装によるメンテナンスが可能です。しかし、「時間をかけてしっかりと高圧洗浄をかける」「モニエル瓦専用の塗料を使って塗装する」ということに注意が必要です。
また、施工手順を間違えるとトラブルが起きやすい屋根材でもあるため、メーカーが公表している施工マニュアルをしっかりと守ることが重要だと言えます。

〈モニエル瓦の施工事例〉

▷京都市右京区にて雨漏り修理〈モニエル瓦からガルバリウム鋼板葺き替え〉

セメント瓦

普通に使用されている瓦屋根の中には塗装を必要としないものもあります。
それは釉薬を表面に塗って焼き上げている粘土瓦が多いのですが、そういった瓦屋根以外の瓦の場合は塗装が必要なものもあります。
セメント瓦などは塗装が必要な瓦となります。
一般的には表面に塗装が施された状態で販売されています。
この表面の塗装が薄くなってくると防水機能などが低下してしまうため、塗装メンテナンスを行う必要があります。
特にセメント瓦などは水に弱いものが多いため、表面の塗装が重要となってくるのです。

屋根塗装を行う際の注意点について

屋根塗装を行う際にはいくつかの注意点があります。
屋根塗装をする際にはそれらを踏まえた上で行いましょう。

飛散防止を徹底的に行う

屋根塗装はトラブルが発生することが多い作業でもあります。
屋根の上で塗料を使って作業をするため、周囲に「飛散してしまう」ことがあるのです。
近隣の住宅の壁や車、自転車などに塗料が飛んでしまうと大きなトラブルに発展することもあります。
そうしたトラブルを防ぐためにも屋根足場をしっかりと組み、飛散防止ネットを設置した上で作業を行うということが重要だと言えます。

塗装できない、塗装するべきではない屋根材がある

屋根材の中には塗装できない素材のものも多くあります。
また、スレート屋根の中にも塗装できない製品もありますので、それらに塗装しないように注意しなければなりません。
代表的なものとしては「パミール」があります。

【実例】

▷京都市右京区にて屋根葺き替え〈スレート屋根からガルバリウム鋼板〉

パミールは塗装することができない屋根材として有名です。
このパミールは「層状剥離」と呼ばれている特徴があります。
これは屋根材の表面からミルフィーユのように薄い層が徐々に剥がれていくという現象で、塗装をしても屋根材の表面ごと剥がれていってしまうために塗装をする意味がないという状態になります。
塗装をしてはいけない、というよりもする意味がない、無駄になるという特徴があるため、塗装はしないようにしましょう。

他にも「レサス」「コロニアルNEO」のような割れやすい素材のものも塗装をするのには向いていません。
こうした塗装するのに向いていない屋根材があるということも押さえておきましょう。

カバー工法の特徴とは

屋根修理の際に多く利用されてきているのがカバー工法です。
ここではまずカバー工法の概要や特徴について紹介していきます。

カバー工法とは

カバー工法とは既存の屋根を撤去することなく、その上側に新しい屋根を作るという工法です。
屋根が二重になるというイメージだと言えます。
葺き替え工事を行う際には既存の屋根をすべて撤去して一から屋根を作っていくのですが、撤去するのに時間や手間がかかるというデメリットがあります。
カバー工法の場合は既存の屋根を撤去するという作業がないため、時間や手間を削減できるというメリットがあります。

屋根塗装をするよりも防音性、断熱性は高くなる

カバー工法を行うと既存の屋根の上から新しく屋根を作るため、屋根が二重になります。
屋根が二重になることによって、「雨音が屋内まで響きにくい」「雨水が浸入しにくい」「夏は日差しを防ぎ、冬は屋内の暖気が逃げるのを防ぐ」というメリットがあります。
特に夏の日差しが強い地方では屋根が高温になることで屋内も高温になるということが多いのですが、屋根が二重にあることでそれを和らげることができるという強みがあります。

葺き替え工事を行うよりも早くて安い

葺き替え工事を行う際には既存の屋根材や下地などをすべて撤去する必要があります。
これらを撤去する際にはゴミやホコリなどが出やすく、音もうるさくなりがちです。
また、撤去した屋根材の撤去費用、処理費用もかかってくるため、時間も費用もかかってしまいます。
カバー工法を行う場合にはこうした撤去作業がないため、工期を短くできるだけでなく、費用も抑えることが可能となります。
葺き替え工事を行うよりも早くて安くできるというのは大きなメリットだと言えるでしょう。

カバー工法を行う際の注意点とは

メリットが多いと言われるカバー工法ですが、実際に行う際にはいくつかの注意点もあります。
ここではそれらの注意点を紹介していきます。

カバー工法を行うと屋根が重くなる

近年、建物の耐震性を高める耐震工事が頻繁に行われていますが、この工事では基本的に「屋根の軽量化」が行われることとなります。
瓦屋根やスレート屋根などの重い屋根から金属屋根などの軽い屋根に変更することが多いのはそのためです。
屋根の軽量化をすることで地震が起きた際の建物の揺れ幅を小さくすることが可能となるのです。
屋根が重いと地震が起きた際に建物が大きく揺れるだけでなく、壁や柱にも大きな負担をかけることとなります。
それを防ぐために屋根の軽量化が進められているのですが、カバー工法は屋根を二重にするという工法です。
そのため屋根二つ分の重さがかかることとなるため、確実に屋根が重くなってしまいます。
金属屋根は非常に軽量なため、まったく問題はありませんが、屋根を軽くするという観点から考えればカバー工法は不向きな工法であると言えるでしょう。

既存の屋根材の種類や屋根の形状によってはカバー工法はできない

カバー工法を行う時には屋根材の面がフラットでなければいけません。
そのため、複雑な形状をしている瓦屋根のような場合はカバー工法はできません。
また、瓦屋根はそれ自体が重量があるため、重さという点でもカバー工法には適していません。
その他、古いトタン屋根やスレート屋根の場合も屋根材や下地が劣化していることが多いため、カバー工法ができないことがあります。
屋根の形状が複雑ではないかどうかがポイントと言えます。

まとめ

屋根が劣化してきた場合には「屋根修理」と「屋根塗装」という対処法があります。
そのうち屋根塗装は次のメンテナンスまでのサイクルが短くなりがちで、根本的な解決にはならないことも多くあります。
コストパフォーマンス、屋根の性能の維持という点を考えても屋根修理の方がおすすめだと言えます。

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