「立平葺き」と「スーパーガルテクト」それぞれのメリット・デメリットを比較

「立平葺き」と「スーパーガルテクト」それぞれのメリット・デメリットを比較

2024/03/01

雨漏りをできるだけ防ぎたい、断熱性を求めたい、耐震性に配慮したいなど、屋根材を選ぶ際には色々な基準があります。
そんな中で近年人気となってきているのが金属屋根です。
葺き替えを行う際に金属屋根にするということもありますし、カバー工法を行う際に金属屋根を使用するということもあります。
そこでここでは「立平葺き」という葺き方と人気の屋根材「スーパーガルテクト」のメリットやデメリットについて紹介していきたいと思います。

立平葺きについて

同じ金属屋根でも葺き方が違うと屋根材の効果も変わってきます。
立平葺きは軒に対して垂直方向に屋根材を設置していく縦葺きの工法です。
ここではまず立平葺きの概要について紹介していきます。

立平葺きの特徴とは

立平葺きは工法としては縦向きに屋根材を並べていく工法ですので、安価で単価が求めやすく、施工スピードが速くなるという特徴があります。
費用を抑えることができるため、コストパフォーマンスを求める方にオススメです。

また、縦向きに屋根材を設置しているため、屋根の頂点である棟部分から軒までが一直線になりやすく、雨水が早く流れていくという特徴もあります。
排水性能が高いこともあって「雨漏りしにくい屋根」とされています。
※Re,ルーフでは、立平葺きに屋根を変えた際は雨水が早く流れていくため軒樋(軒部分に設置される横向きの雨樋)の位置を調整するとともに、軒樋の交換を勧めております。
断熱性を高めたい場合には下地材に断熱効果があるものを設置することでも対応できますので、お気軽にご相談下さい。

立平葺きの固定の仕方は

立平葺きで屋根材を固定していく際には「ハゼ葺き」と「嵌合式」という2種類の方法があります。
それぞれの方法について簡単に紹介していきます。

・ハゼ葺き
ハゼ葺きは屋根材である金属板の横端に折り曲げるためのスペースをとって、隣に設置する金属板とその部分を折り曲げて結合させていくという葺き方です。
日本では古くから利用されている方法で、立平葺きのことを「縦ハゼ葺き」と呼ぶこともあります。
この工法は屋根材を適切に折り曲げて結合していくという工法であるため、実際に行うには高い技術、技量が求められる作業でもあります。
そのため熟練した職人、高い技術を持つベテラン職人でなければこの葺き方ができないという場合があります。
また、金属板を折り曲げて結合するため、設置するのに時間がかかる方法でもあります。

・嵌合式
こちらの嵌合式は屋根材の端部分に設置する前に「凸部分」「凹部分」をあらかじめ作っておき、それらを屋根の上で組み合わせて固定させるという方式です。
職人が手作業で一つずつ金属板を変形させていかなければならないハゼ葺きとは違って、あらかじめ変形されているものを屋根の上で組み合わせるという方式ですので、それほど高い技術が求められるというわけではありません。
また、工期も短くなるというメリットがあります。
「嵌合式立平」と呼ばれることもあるこの工法ですが、最近はこちらの葺き方が主流となってきています。

立平葺きのメリットとデメリットについて

立平葺きの特徴を学んだところで、改めて立平葺きのメリットとデメリットを順に紹介していきます。

立平葺きのメリットとは

・排水性能が非常に高い
立平葺きは縦向きに屋根材を並べて設置しているため、棟から軒まで途中にさえぎるものがなく、雨水が一直線に軒まで流れていくという構造になっています。
また、横方向につなぎ目がないため、そこから雨水が浸入するということもありません。
こうして立平葺きは耐水性能が高くなっているのです。
これは「雨漏りがしにくい」というメリットにもつながっています。

・安くて早く施工ができる
立平葺きは金属屋根を縦方向にどんどん並べて設置していくという工法のため、非常に早く施工できるという強みがあります。
工期が短いということは費用を安くするということにもつながります。
軽くて丈夫な金属屋根を使っていることで耐用年数が長いという特徴もあります。

・勾配が緩やかな屋根でも施工できる
建物の屋根の傾斜のことを「勾配」と言いますが、この勾配が急であれば水が流れていきやすく、緩やかであれば水は流れにくいということになります。
勾配によって使用できる屋根材が決まっているのですが、立平葺きの場合は水はけが良い工法のため、勾配が緩やかな屋根であっても施工することができます。
あまり屋根に傾斜がないという建物でも利用できるというのはメリットと言えるでしょう。

立平葺きのデメリットとは

・屋根の形状が複雑な場合は施工できない
立平葺きは縦向きに屋根材を並べて設置していく工法ですので、屋根の形状が複雑な場合には施工することができません。
切妻屋根のようなシンプルな形状で立平葺きが利用されるのが多いのはそれが理由だと言えます。

・金属屋根の弱点がそのままデメリットとなる
立平葺きに限ったことではありませんが、立平葺きは金属屋根で利用されますので金属屋根の弱点がそのままデメリットとなります。
「断熱性が低い」「遮音性が低い」「錆びる、腐食する」といった特徴があります。
立平葺きを行う場合はそれらの対応をする必要があると言えます。

〈立平葺きの施工事例〉

▷右京区嵯峨野にて雨漏り修理〈ガルバリウム鋼板葺き替え〉

▷京都市左京区にて金属屋根葺き替え工事

スーパーガルテクトについて

スーパーガルテクトは建材大手メーカーである「アイジー工業」が提供している国産の金属屋根材です。
高性能で人気の屋根材となっています。
ここではそんなスーパーガルテクトの概要について紹介していきます。

スーパーガルテクトの概要とは

アイジー工業のもともとの主力商品であった「ガルテクト」は高い耐久性、断熱性を持った屋根材として人気の製品でしたが、このスーパーガルテクトはさらにそれらの性能をさらに高めた製品となっています。
素材には次世代の中心素材となることが確実視されているエスジーエル鋼板が使用されており、耐久性、耐用年数などが飛躍的に向上しています。

金属屋根には大きく分けて「横葺き」「縦葺き」という2つの種類があり、立平葺きは縦葺きの工法でしたが、このスーパーガルテクトは「横葺き」の金属屋根材となっています。
横葺きは一般の住宅でも多く使われる工法となっています。
また、スーパーガルテクトは屋根材の裏部分に断熱材が一体化しているタイプの金属屋根ですので、断熱効果を高めるだけでなく、屋外と屋内の温度差によって発生する結露を抑えるという効果も期待できます。

メーカー保証も充実しており、使用実績も集まってきているため、おすすめされることが多い人気の屋根材となっています。
予算の問題はありますが、予算範囲内なのであればスーパーガルテクトを使用しておけばまず間違いはないでしょう。

Re,ルーフでも自信を持ってオススメしている屋根材です。

〈スーパーガルテクトの施工事例〉

▷京都市上京区にて屋根カバー工法〈カラーベストからスーパーガルテクト〉

▷京都市右京区にてスレート屋根カバー工法

スーパーガルテクトの製品概要とは

ここでは製品の基本スペックを紹介していきます。

働き幅:265mm
働き長さ:2,960mm
厚さ:最大16mm
重量:5.0kg/㎡
保証年数:
穴あき 25年
赤さび 20年
塗膜変退色 20年
耐用年数:25年~35年(目安)

スーパーガルテクトのメリットやデメリットについて

人気の屋根材であるスーパーガルテクトはメリットの多い屋根材ですが、いくつか注意点もあります。
屋根職人から見たスーパーガルテクトのメリットやデメリットについて紹介していきます。

スーパーガルテクトのメリットとは

・耐久性が高く、耐用年数が長い
スーパーガルテクトはエスジーエル鋼板でできている製品です。
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍の耐久性があるとされており、塩害にも強いという特徴があります。
そのため、耐久性が高く、耐用年数が長くなっています。

・断熱性、耐火性、不燃性が高い
金属屋根の弱点と言えば熱伝導率が高いために断熱性が低くなるということですが、スーパーガルテクトは裏側に断熱材が一体化されている製品ということもあって断熱性が高い製品となっています。
夏は室内の温度が上昇しにくく、冬は室内を暖かく保つ効果があります。
また、断熱材にはイソヌレートフォームが使われていることもあって熱に強いことで耐火性も高くなっています。

・止水性、排水性が高い
スーパーガルテクトで使用されるケラバ板金は止水性、排水性の高い板金となっており、止水性と排水性を向上させる理由となっています。
屋根材は固定する際に釘やビスを使って固定するのですが、どうしてもこの釘打ち部分から雨水が侵入しやすくなるという特徴があります。
釘打ち部分の付近に雨水が溜まることが多いと、そこから錆びたりすることにつながってしまいます。
しかしスーパーガルテクトの釘打ち部分には断熱材が充填されていますので、一般的な金属屋根の釘打ち部分よりも厚みがあります。
この厚みのおかげで釘打ち部分に雨水が侵入しにくくなっています。
また、ジョイント部分の止水性がきわめて高く、その優秀さは「文部科学大臣賞」「弁理士会会長賞」を受賞していることでもわかります。

スーパーガルテクトのデメリットとは

・設置費用が高い
非常に高性能なスーパーガルテクトですが、デメリットを挙げるならば「初期費用が高くなる」という点でしょうか。
エスジーエル鋼板が素材の製品は値段が高くなりやすいのですが、スーパーガルテクトは裏面に断熱材が一体化しているということもあってその分価格が高く設定されています。
高性能なのは間違いありませんが、費用を抑えたい方にとってはデメリットかもしれません。

まとめ

立平葺きは金属屋根で多く使用される葺き方であり、安くて早く施工できるというメリットがあります。
また、スーパーガルテクトは近年急激に人気を高めている屋根材であり、非常に高性能な屋根材となっています。
そうした特徴を踏まえて屋根材を選んでいくと良いでしょう。

「Re,ルーフ」では、お客様のご要望に合わせた、理想の屋根になるように最適な屋根材をおすすめしております。

また、大事な屋根を守るために細かい施工にこだわっています。

立平葺きには軒樋の調整や端部のコーキング処理、ケラバ部分は風が受けやすく強風でまくれることが多いため、 ビス止めにて台風対策を徹底しています。

詳しい内容はこちらでご確認下さい。

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