京都市の住宅に多い「入母屋屋根」とは?特徴とメンテナンス方法
2026/06/19
京都市では、伝統的な和風の家が多く、屋根に瓦が使われていることも多いです。中でも、「入母屋屋根」と呼ばれる形状の屋根は、重厚な雰囲気になるので、純和風の住宅で取り入れられていることがあります。
ただ、入母屋屋根は、形状が複雑なので、メンテナンスを怠ると雨漏りしやすい構造でもあります。
この記事では、入母屋屋根の特徴とメンテナンス方法について解説します。
京都市に多い入母屋屋根とは?

京都市では、瓦屋根の和風住宅が多いですが、屋根の形状も伝統的な形状になっていることがあります。
その中でも風格があるのが「入母屋屋根」です。
入母屋屋根は、お城や神社仏閣で取り入れられることが多い形状の屋根ですが、一般住宅でも採用されることがあります。
入母屋屋根は切妻屋根と寄棟屋根をあわせた屋根?

入母屋屋根は切妻屋根と寄棟屋根をあわせた形状の屋根です。
切妻屋根は、天辺の棟から左右に屋根が流れるシンプルな形状の屋根です。正面から見ると妻側の上部は三角形の外壁になります。
寄棟屋根は、建物の四方で軒先が水平になる形状の屋根です。
軒先から中央に向けて屋根が上がっていく形状になります。軒先がすべて水平なので外壁の納まりが良いのが特徴です。
そして、入母屋屋根は、軒先部分ではすべて水平ですが、軒先から中央に上がるにつれて、切妻屋根になる形状です。
妻側から見ると、屋根の途中に三角形の妻部分が形成されています。
入母屋屋根のメリットとは?

入母屋屋根は他の屋根の形状と比較しても様々なメリットがあります。
風格がある見た目だけでなく、切妻屋根と寄棟屋根のいいとこ取りである点も注目されます。
風格のある屋根になる
入母屋屋根は、風格のあるどっしりした屋根になる点が大きな特徴です。
大棟と呼ばれる天辺の端、天辺の端から軒先に向けて下りる棟の先端部分には、鬼瓦が設置されますし、妻の三角形の部分にも漆喰が塗り込められます。
これらの装飾により、単純な切妻屋根や寄棟屋根にはない独特の風格を生み出すことができます。
屋根裏の空間が広くなる
切妻屋根は屋根裏がシンプルな三角形の形状になるため、屋根裏の空間が広くなるのが特徴です。
一方、寄棟屋根は、屋根が四方から被される形になるので、屋根裏の空間が狭くなります。
入母屋屋根の場合は、中心部分は切妻屋根と同様に広い空間を確保できるのが特徴です。
空間が広くなる事により通気性が高まるだけでなく、屋根裏に熱気がこもりにくくなるといったメリットもあります。
建物を風雨から守ることができる
切妻屋根は、平側に軒を大きく張り出すことは可能ですが、妻側は、がら空きになり、風雨にさらされやすくなります。
そのため、妻側の外壁は劣化しやすく、特に破風板の劣化が目立ちやすくなります。
寄棟屋根は、建物の四方に軒を張り出すことができるため、軒を大きく出すことにより、建物を風雨から守る機能が高いのが特徴です。
さらに、直射日光も遮ることで、夏場は過ごしやすい環境になります。
入母屋屋根も、建物の四方に軒を出せる形状なので、建物を風雨から守る機能が高くなります。
そのため、建物が傷みにくく、建物の寿命も長くなりやすいということです。
入母屋屋根のデメリットとは?

入母屋屋根は見た目が良く、建物を保護する機能も高い屋根形状ですが、一方で、たくさんの瓦を使うことや複雑な形状であることから、様々なデメリットもあります。
屋根が重くなる
入母屋屋根は、瓦で作られるのが一般的です。
そして、寄棟屋根の上に切妻屋根が乗っかる形状であることから、シンプルな屋根と比べると利用する瓦の数が多くなります。
その分、屋根も重くなります。
屋根が重いと、建物の耐震性の面で不利になります。もちろん、最近の建物であれば、屋根の重みを計算に入れて耐震設計をしていますが、古い家の場合は、耐震性診断を受けるなどして、耐震面に問題はないのか、確認しておくのが無難です。
雨漏りリスクが大きい
入母屋屋根は、複雑な形状の屋根で、接合部や谷が生じやすくなります。その分、雨漏りリスクが大きくなります。
雨漏りさせてしまうと、建物の耐震性も低下してしまうため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
コストがかかる
入母屋屋根は、シンプルな屋根と比べると利用する瓦の数が多くなります。
その分、新築の際に費用が高くなります。また、複雑な形状であることから、職人には高い技術力が求められますし、工事も複雑になり、日数がかかります。
また、メンテナンスの際も補修箇所が多岐にわたってしまうことから、シンプルな屋根と比べると費用が高くなります。
入母屋屋根で雨漏りしやすい箇所とは?

入母屋屋根はシンプルな屋根と比べると複雑な形状をしていることから雨漏りリスクが高くなります。
では、具体的にどのような部位から雨漏りが発生してしまうのか見ていきましょう。
✅漆喰部分
入母屋屋根はシンプルな切妻屋根や寄棟屋根に比べると隙間が生じやすい構造になっています。
瓦屋根の場合、その隙間は、漆喰で埋めるのが一般的です。
ただ、漆喰は瓦屋根ほどの寿命はなく、20年程度もすれば劣化してしまいます。
ひび割れしたり、剥がれてしまうと、その部分から雨水が浸入し、雨漏りにつながってしまいます。
✅切妻屋根と寄棟屋根の形状が交わる部分
入母屋屋根のうち、切妻屋根と寄棟屋根の形状が交わる部分は、棟瓦が複雑に交差することから、雨水が集まりやすく、雨漏りの原因になりやすい箇所です。
入母屋屋根のメンテナンス方法
入母屋屋根のメンテナンスは、新築時からの経過年数や既に雨漏りが生じているのかにより異なります。
✔漆喰の詰め直し
入母屋屋根は、棟瓦がたくさん使われており、隙間が生じやすいのが特徴です。
とりわけ、棟瓦と平瓦の境目には、三日月状の隙間が生じてしまいますが、この部分に漆喰が詰められています。
この漆喰が劣化してひび割れたり、剥離してしまうと、棟瓦を支える土台の土が流出してしまいます。
これを防ぐためには、漆喰の劣化が確認されたら、漆喰の詰め直し工事を行うことが大切です。
✔棟瓦の取り直し
棟瓦は、瓦屋根の部位でもっとも劣化しやすい箇所です。
特に、棟瓦の土台部分の漆喰が剥がれてしまい、内部の土が流出している場合は棟瓦がズレたり蛇行していることがあります。
これを直すためには、棟瓦の取り直しと言い、棟瓦を積み直す工事が必要です。
入母屋屋根は、棟瓦がたくさん使われる構造なので、棟瓦のずれがあると目立ちますし、雨漏りの原因になります。
定期的に点検し、異常があれば、早めに棟瓦の取り直し工事を行うべきです。
✔瓦の葺き直し工事
既に雨漏りが発生している場合は、表面の瓦だけの工事では雨漏りを確実に止めるのは難しいことがほとんどです。
というのも、屋根からの雨漏りの根本的な原因は、瓦の下に敷かれている防水シート(ルーフィング)が劣化していることにあるからです。
瓦本体は50年以上の寿命がありますが、防水シート(ルーフィング)の寿命は10年から20年程度で意外に短いものです。
新築から20年近く経ち、雨漏りが生じている場合は、瓦を剥がして、下地を直す工事を行う必要があります。
瓦を剥がしたあとは、野地板を張り直したり、防水シート(ルーフィング)を交換するといった作業を行い、剥がした瓦を再利用する形で葺き直し工事を行います。
✔屋根の葺き替え工事
瓦は寿命が長いですが、50年以上経つと劣化も目立ってきます。また、ひび割れや欠けなどが生じてしまうこともあります。
このような場合は、瓦自体の交換も検討することになります。
瓦の交換が必要な場合は、屋根の葺き替え工事を行います。
古い屋根を新しい屋根材で覆うカバー工法は、瓦屋根では採用できないので注意しましょう。
屋根の葺き替え工事では、瓦本体はもちろん、防水シート(ルーフィング)、野地板の交換も行います。
再度、屋根材を葺くときは、瓦を利用することもできますし、瓦以外の屋根材に変えることもできます。
特に、金属屋根に変えた場合は、屋根が軽量化されるため、耐震面で有利になります。
まとめ
京都市の住宅に多い「入母屋屋根」の特徴とメンテナンス方法について紹介しました。
入母屋屋根は、見た目が素晴らしいですが、雨漏りの原因となりやすい部分もあります。
雨漏りする前に定期的に点検し、必要なメンテナンスを行ってください。
Re,ルーフは、京都市右京区を中心に活躍する屋根工事職人直営店です。京都市や亀岡市などを中心に京都府全域で屋根工事や雨漏り修理工事を承っています。
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