瓦屋根はなぜ長寿命なのか?100年近く使われる理由を解説

瓦屋根はなぜ長寿命なのか?100年近く使われる理由を解説

2026/07/23

瓦屋根は100年持つと言われることもあり、長寿命であることが知られています。
では本当に、瓦屋根は100年もの長い期間維持できるのでしょうか?
結論から言うと、瓦自体は100年持ちますが、瓦屋根を構成する様々な部位は100年もの寿命がないため、定期的なメンテナンスが必要です。
瓦屋根が長寿命である理由と長持ちさせるためのポイントを解説します。

瓦屋根は100年持つ?

瓦屋根は、長寿命でメンテナンスフリー。100年は持つとも言われています。
現在、屋根材として主に使われている化粧スレートの場合は、10年以上経過すれば、劣化が目立ち始めるため、メンテナンスが必要になりますし、状態によっては、葺き替え工事を検討すべきこともあります。
それに対して、瓦は、10年程度では、ほとんど劣化していませんので、如何に長寿命であるかが分かると思います。
では、瓦屋根が長持ちする理由は何なのか見ていきましょう。

焼き物だから

瓦屋根は、陶器と同じように粘土を約1200℃という高温で焼き上げて作る焼き物です。
食事の際に使うお皿などと同じで、水分を通すことはありませんし、割れない限り、長持ちするものです。
お皿は薄いため、落としただけで割れてしまうものが多いですが、瓦は厚みがあるので、そう簡単には割れません。

吸水率が低い

瓦屋根は、化粧スレートと比較しても吸水率が低いという特徴があります。
化粧スレートは、セメントと繊維素材を混ぜて作りますが、いずれの素材も、耐水性は低いです。
そのままでは水分を吸収してしまうため、成形した後で表面に初期塗装を施して防水性を維持しています。
そのため、この塗装が剥がれてしまうと、素材が水分を吸ってしまう状態になり、耐久性に影響を及ぼしてしまうわけです。

それに対して、陶器と同じ瓦はそのままの状態で水分をほぼ通しません。
塗装によるメンテナンスを行う必要もありません。

凍結にも強い

瓦屋根は、吸水率が低いことから、凍結に対しても強い建材です。
化粧スレートの場合、防水性能が失われてしまうと、水分を吸水するようになります。
真冬の時期は、化粧スレートの内部にしみ込んだ水分が凍結します。水分は氷になると体積が増えるため、凍結することにより、化粧スレートにひび割れが生じてしまいます。
その結果、化粧スレートが欠けたり、割れてしまうといった被害が生じるわけです。

それに対して、瓦屋根の場合は、水分の吸収率が低いことから、凍結によって瓦がひび割れてしまう被害が生じにくいという特徴があります。
とりわけ、寒冷地に向いていると言われる石州瓦や三州瓦などであれば、 凍害に対しても安心です。

塩害にも強い

瓦屋根は、塩害に対しても強い建材です。
金属屋根の場合は、ガルバリウム鋼板などの錆に強い屋根材を使っていても、海沿いなど塩害を受ける可能性がある地域では、屋根がいつの間にか錆びてしまう被害が生じやすいです。
これを防ぐためには、屋根についた塩分を洗い流したり、塗装して金属素材を錆から守ることが求められます。

それに対して、瓦の場合は、塩分がかかったとしても、大きな変化が生じることはありません。
とりわけ、釉薬が塗られている釉薬瓦であれば、瓦自体の緻密な構造はもちろんですが、釉薬が塩分の浸透を防いでいるため、雨水によって自然に塩分が流れるようになっています。

紫外線に強い

瓦屋根は紫外線に対しても強い建材です。
外回りの建材は塗装が施されている物が多いです。
例えば、化粧スレートは、セメントと繊維素材の素材に塗装が施されていますが、この塗膜は、紫外線を浴びたり、風雨にさらされることにより、徐々に劣化していきます。
いずれは、チョーキング現象といい、正面に手で触れただけで、塗料の粉がついてしまう状態になります。
こうなると、塗料はどんどん剥がれて、素材を保護する機能が失われていきます。
金属屋根の場合も、塗膜が剥がれてしまうと金属を錆から守ることができず、いずれ、錆が進行して穴が空いてしまうことがあります。

それに対して瓦の場合は、そもそも塗装されていません。そのため、塗膜の劣化を心配する必要がなく、そのままの状態で長く持たせることができます。

瓦屋根はメンテナンスフリーではない?

瓦屋根は、化粧スレートや金属屋根と比較すると非常に長寿命の屋根材ですが、メンテナンスが全く必要ないというわけではありません。
瓦自体は100年持つ建材ですが、瓦屋根を構成する様々な部位はそれほどの耐用年数はないため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
瓦屋根のうち、どの部位のメンテナンスが必要になるのか紹介します。

漆喰

瓦屋根の漆喰は、平瓦と棟瓦の境目の三日月状の隙間を埋めるために詰められています。
棟瓦の内部には葺き土が詰められていますが、そのままでは、平瓦との隙間から土が流出してしまいます。
これを防ぐために、漆喰が詰め込まれているわけです。
ただ、漆喰は瓦ほどの耐久性はありません。
10年から15年程度もすれば、漆喰は、ひび割れしたり欠けたり、剥離し始めます。
漆喰の劣化を放置すると、その隙間から葺き土が流出するようになり、棟瓦の歪みにつながります。
さらに、漆喰部分の隙間から雨水が浸入して雨漏りにつながります。
棟瓦の歪みがひどくなると、隙間も大きくなり、雨漏りもさらにひどくなります。
こうした事態を防ぐためには、定期的に漆喰部分を確認して、劣化が確認されたら、漆喰の詰め直し工事を行うことが大切です。

▷瓦屋根の漆喰とは?主な劣化症状とメンテナンスの重要性を解説

板金部分

瓦屋根の形状によっては、屋根材の一部に板金が使われていることがあります。
特に瓦と瓦が谷状にぶつかり合う部分がある場合は、谷板金が瓦の下に敷かれています。
谷板金は左右から流れてくる雨水を受け止めて、雨樋に流す役割を担っています。
ところが、谷板金にゴミが集まってしまい、閉塞してしまうと、雨水が流れず、瓦の隙間に逆流してしまいます。
この場合、雨漏りにつながってしまうことがあります。
これを防ぐには、谷板金を定期的にチェックしてゴミが詰まっていたら取り除いてやる必要があります。

また、谷板金は、ガルバリウム鋼板などの錆に強い金属が用いられていることが多いですが、全く錆びないわけではありません。
錆を防ぐためには定期的な塗装が必要です。また、経年劣化により歪みが生じたり、隙間が生じてしまうこともあるので、このような場合は補修工事が必要になります。

▷屋根と谷樋の取り合い部は雨漏り多発ポイント!屋根職人が教える原因と対策

ルーフィング(防水シート)

ルーフィング(防水シート)は、瓦の下に敷かれており、雨漏りを防ぐための重要な役割を担っています。
瓦は、その形状からして、屋根を完全に塞いでいるわけではなく、多少の隙間が生じるのは避けられません。
その隙間から雨水が浸入したとしても、ルーフィングが敷かれていることから、雨水が下地の野地板まで浸透することを防いでおり、軒先に流すことができるわけです。
ルーフィングは、一般的な性能の商品だと、寿命は10年から20年程度しかありません。
寿命が来ると、破れたり、水を弾く機能が失われてしまい、雨水が浸入しやすくなります。
瓦屋根で雨漏りが発生する場合では、既にルーフィングの寿命が来てしまっていることが多いです。
雨漏りが発生したあとでは、建物の様々な部位が傷んでしまうので、そうなる前に、10年から20年程度を目安に瓦の葺き直し工事を行い、その際に、ルーフィングの交換を行っておくことが大切です。

▷雨漏りを未然に防ぐ「ルーフィング材」の選び方と寿命について

野地板

野地板とは、屋根の下地の板材のことです。
野地板には、バラ板や構造用合板が用いられていることが多いです。
これらの板材は、乾燥した状態であれば長持ちしますが、雨漏りが発生するようになると、腐ってしまうことがあり、瓦の釘を保持する力が失われてしまいます。
野地板が劣化しているのに放置している場合は、地震や台風の際に瓦がズレたり、崩れやすくなります。
ルーフィングの張替えを行うタイミングで、野地板の状態も確認し、必要ならば、野地板の交換も行うことが大切です。

瓦自体は100年持っても、瓦屋根は100年持つわけではない

瓦自体は、耐用年数が長く、100年近く使い続けることも可能です。
ただ、瓦屋根を構成する様々な部位は、100年間メンテナンスなしで耐えられるわけではありません。
漆喰や板金部分の劣化が確認できた時点で、補修工事を行う必要があります。
その際には次のような工事が検討されます。

・漆喰の詰め直し工事
・棟瓦の取り直し工事
・板金の補修工事
・瓦屋根の葺き直し工事

漆喰の詰め直し工事は、漆喰が劣化している場合に検討される工事です。屋根の他の部位には異常がなく、雨漏りも発生していなければ、これだけで足ります。
棟瓦の取り直し工事は、漆喰の劣化だけでなく、棟瓦がずれたり歪んでいる場合に行います。
板金の補修工事は、谷板金などが錆びたり歪みが生じて雨漏りの原因になっている場合に行います。板金の交換だけでなく、瓦を部分的に剥がしてルーフィングの張替えも行います。
瓦屋根の葺き直し工事は、ルーフィングや野地板が既に寿命が来ている場合に、全面的に張替えを行う工事です。この場合でも、瓦は再利用することができます。

まとめ

瓦屋根が長寿命である理由と長持ちさせるためのメンテナンス方法について紹介しました。
瓦屋根は100年持たせることも可能ですが、そのためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
雨漏りする前に定期的に点検し、必要な補修工事を行ってください。
Re,ルーフは、京都市右京区を中心に活躍する屋根工事職人直営店です。京都市や亀岡市などを中心に京都府全域で屋根工事や雨漏り修理工事を承っています。
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