増築した住宅の屋根は要注意?新旧の屋根が接する部分で起こるトラブル

増築した住宅の屋根は要注意?新旧の屋根が接する部分で起こるトラブル

2026/10/26

住宅を増築した場合は、新旧の建物の接合部分が弱点となり、ひび割れやズレが生じやすく、雨漏りが発生しやすくなります。
この記事では、増築建物の新旧の屋根が接する部分で発生するトラブルの原因と、それを防ぐための対策について解説します。

住宅を増築する方法とは

木造住宅は様々な方法により増築することができます。

✔1階部分を広げる差しかけ増築。
✔下屋部分に部屋を広げたり平屋を二階建てにするおかぐら増築。
✔1階と2階の両方を一部解体し、1階と2階を合わせて増築する取り壊し増築。

差しかけ増築は、庭などのスペースが余っている場合に、一階部分を広げる形で増築します。
土台から作ることができ、旧建物部分での工事を最小限に抑えられるのが特徴です。

おかぐら増築は、旧建物の二階部分などに新たに増築する方法です。工事の際は単に二階部分を広げるだけでなく、一階部分でも梁や柱、壁量を増やすなど、大掛かりな工事が必要になります。

取り壊し増築は、庭などの余っているスペースを使いつつ、一階だけでなく二階部分も増築する方法です。
二世帯住宅にするなど、大幅な増築を行う際に用いられることが多い工法になります。

住宅を増築すると屋根からの雨漏りが発生しやすくなる?

住宅を増築した場合、屋根からの雨漏りのリスクが高まります。その理由は次のとおりです。

✔増築部分と既存部分の接合部に弱点が生じる
✔防水処理の難易度が高い
✔既存建物が老朽化していることもある
✔雨水が接合部に集まりやすいことがある

一つ一つ解説します。

✅増築部分と既存部分の接合部に弱点が生じる

増築の際は、増築部分と既存部分を接合するのが一般的です。
どちらも木造住宅であれば、工夫次第で接合部が分からないほどに自然に納められることもあります。
ただ、増築部分と既存部分とでは、使われている木材も築年数も違うことから、接合部で不具合が生じがちです。
例えば、増築部分は耐震性が高く強固にできている一方、既存部分の耐震性が低い場合は、地震の際に双方の建物の揺れ方が異なってしまうため、接合部においてズレや歪みが生じやすくなるものです。
屋根も同様で、接合部でズレや歪みが生じてしまうと、隙間ができてしまうため、雨漏りが発生しやすくなります。

✅防水処理の難易度が高い

増築部分と既存部分の接合部では、水切り板金を用いたり、下地部分でルーフィング(防水シート)を念入りに施工するなどして、防水処理を行います。
しかし、増築部分と既存部分とで建物の揺れやすさに違いがある点や、増築部分が数年かけてわずかに自重で沈み込むといった点を計算に入れて施工しないと、接合部で隙間が生じやすくなります。
そのため、防水処理の難易度が高く、経験の浅い職人では施工不良を起こしやすいのが実情です。

✅既存建物が老朽化していることもある

おかぐら増築の場合は、増築部分だけでなく、既存部分の工事も必要になり、様々な補強や補修工事をまとめて行います。
一方、差しかけ増築の場合は、増築部分の工事だけで、既存部分の大幅な補強や補修工事を行わないこともあります。
このような場合、増築後に既存部分での雨漏りが発生してしまい、増築部分と既存部分の接合部に雨水が流れ込んで雨漏りが生じてしまうことがあります。
とりわけ、接合部の真上で屋根や外壁のひび割れや劣化、シーリングの不具合があると雨水が浸入し、雨漏りにつながりやすくなります。

✅雨水が接合部に集まりやすいことがある

増築した際は、屋根や外壁における雨水の流れを計算し、極力、接合部に雨水がかからないようにすることが重要です。
しかし、雨水の流れが変わったことによって、接合部に予想以上に雨水が集まる状態になってしまうと、オーバーフローを起こして雨漏りしてしまうことがあります。また、水はけが悪くなったり、劣化が早まる原因にもなります。

増築した住宅の屋根からの雨漏りを防ぐには?

増築した際に、屋根からの雨漏りを防ぐためには、施工前、施工時、施工後の三つの時点で気を付けるべきポイントがあります。

✅施工前に既存建物の劣化症状にも対処しておく

既存建物の屋根や外壁の不具合が原因で新旧建物の接合部で雨漏りが発生してしまう事態は避けたいものです。
そのためには、増築工事の施工前に、既存建物についても、屋根と外壁を中心に劣化が進んでいないか点検を行うことが大切です。
屋根の場合、屋根材だけでなく、水切り板金にも不具合があると雨漏りが発生しやすくなります。
また、ルーフィング(防水シート)の寿命が来ている場合は、屋根の葺き直し工事も検討すべきです。

✅施工時は接合部の防水処理を念入りに行う

施工時は、既存建物の屋根や外壁と増築部分との接合部において、防水処理を念入りに行うことが大切です。
防水シートを重ね張りすることはもちろんですが、シーリング材を十分に充填する、雨押え板金を高く立ち上げるといった工事が必要です。

✅施工後も点検とメンテナンスを行う

既存建物と増築建物とでは、揺れやすさに違いがありますし、増築建物は自重により数年かけてわずかに沈み込んだり、使われている木材の膨張、収縮といった動きがあるものです。
これにより、既存建物の屋根や外壁と増築部分との接合部にずれが生じたり、ひび割れが発生してしまうことがあります。
そのため、増築から数年を目途に、屋根工事業者などに、屋根に上がって接合部分の状態を確認してもらうべきです。
その際は、増築工事を施工した職人に依頼すると、自らが施工した工事の内容もしっかり覚えているはずなので、より精度の高い点検を行ってもらうことができます。
そして、ズレやひび割れといった不具合が生じている場合は、その都度補修工事を行っておくことが大切です。

増築する際に選ぶべき屋根とは?

増築する際は、接合部分での雨漏りトラブルを防ぐことがポイントです。
そのためには、接合部分になるべく雨水が集まらない形状の屋根を採用するべきです。
増築する際に選択すべき屋根の形状は次の2つです。

・片流れ屋根
・切妻屋根

一つ一つ確認しましょう。

片流れ屋根

片流れ屋根とは、屋根の傾斜が一方方向のみにある形状の屋根です。
シンプルな形状なので、おしゃれなモダン住宅に採用されています。また、日当たりが良い面に傾斜を付けることで、太陽光発電との相性が良くなります。
一方で、片側1本の雨樋に大量の雨水が流れ込むことからオーバーフローが起きやすいというデメリットがあります。
ただ、増築の際は、雨水が一方方向に流れるという形状はメリットになります。
接合部分から増築部分の先端に向けて片流れになる形状にすることで、弱点となる接合部に雨水が集まりにくくなるためです。

切妻屋根

切妻屋根とは、本を被せたような形状の屋根で、妻側から見ると、屋根が三角形となっています。
屋根の接合部である棟が一ヵ所だけなので、雨漏りしにくい形状と言えます。
ただ、妻側の外壁が風雨に晒されやすいことから、劣化しやすいというデメリットがあります。
増築の場合は、一方の妻側は、既存建物と接合する形になります。劣化しやすい面が一方だけなので、デメリットが少なくなります。
また、接合面でも、雨水が左右に一直線に流れていくため、雨漏りが発生しにくいと言えます。

増築する際にやってはいけない屋根の形状とは

増築する際に選ぶべきではない屋根の形状もあります。
それは、接合部分に雨水が集まる形状の屋根とすることです。
上記で紹介しているように、増築の際は、接合部分が雨漏りにおける弱点になります。
その部分が谷となる形の屋根にしてしまうと雨漏りしやすい住宅になってしまいます。
例えば、片流れ屋根にしても、接合部に向けて傾斜となる形状だと、増築部分と既存部分の屋根や外壁の雨水が接合部分に集中する形となり、よほどうまく雨仕舞を納めないと、すぐに雨漏りしてしまいます。
また、谷となる部分は劣化も早いため、谷板金が錆びやすいですし、メンテナンスの頻度も増えてしまいます。

▷「切妻」「寄棟」「片流れ」屋根の形による特徴とメンテナンス性の違い

▷屋根の勾配(傾斜)は重要!雨漏りしやすい角度とその対策とは

まとめ

増築した住宅は、新旧建物の接合部分が弱点であり、念入りな対策が必要であるという点について解説しました。
これから増築をお考えの方はもちろんですが、既に増築を終えている方も、定期的に屋根工事業者に屋根の接合部分の点検をご依頼ください。
Re,ルーフは、京都市右京区を中心に活躍する屋根工事職人直営店です。京都市や亀岡市などを中心に京都府全域で屋根工事や雨漏り修理工事を承っています。
建物の増築に伴う屋根工事、増築した屋根の定期点検や雨漏り補修なども承っていますので、お気軽にお問い合わせください。