シロアリ被害に遭う前に!雨漏りとシロアリの関係について

シロアリ被害に遭う前に!雨漏りとシロアリの関係について

2024/09/19

「家にシロアリが出た」というのは聞くことがあるかもしれません。
シロアリが発生すると柱などの木材部分を食べられてしまい、どんどん家の耐久性が低くなってしまいます。
そのシロアリが発生する原因となるのが「雨漏り」です。
雨漏りが起きているとそれだけで木材が腐食する、カビが発生するという被害があるのですが、シロアリの発生にも影響してきます。
そこでここでは雨漏りとシロアリの関係性について紹介していきたいと思います。

日本に生息しているとシロアリとはどういったものか

「シロアリ」とまとめて呼ばれることが多いのですが、実際にはシロアリの中にも色々な種類のものがあります。
ここではまず日本で発生する、生息している可能性があるシロアリについて紹介していきます。

・ヤマトシロアリ
「ヤマトシロアリ」は昔から日本全国で幅広く生息しており、日本のどこでも幅広く見ることができるシロアリです。
このシロアリは古くから日本で生息しており、特に関東地方などで多く生息しているために関東で「シロアリ」と言えばたいていはこの「ヤマトシロアリ」を指すことが多くなっています。

・イエシロアリ
「イエシロアリ」もヤマトシロアリと同様に古くから日本に生息しているシロアリです。
主な生息地域は中部地方よりも西側の西日本が中心となっています。
そのため特に太平洋側、四国、九州などで多く分布しており、見ることが多くなっています。

・アメリカカンザイシロアリ
「アメリカカンザイシロアリ」は比較的最近日本で増えてきているシロアリです。
昔から日本で生息しているシロアリではなく外来種となっており急激に増えているのですが、このシロアリの特徴として「乾燥した木材が特に好物」ということがあります。
他の2種類のシロアリは基本的に「湿った木材」が好みなのですが、こちらは「乾いた木材」が好みのために対処法が違っているという問題があります。
ただ、まだ他の2種類のシロアリと比べると数は少ないという特徴があります。
そして乾いた木材を好むことから雨漏りとは直接つながりにくいということもあります。

シロアリが発生する理由、原因とはどういったものか

シロアリは一般的には「湿った木材」を好むという習性があります。
それが雨漏りにも深く関係する理由となっています。
ここではそんなシロアリが発生する理由、原因について紹介していきます。

日本ではシロアリが繁殖しやすい環境が整っている

日本は「四季がある」「山、川、海が多い」といった国土のために基本的に湿度が高く、湿気が溜まりやすいという環境があります。
さらに最近建築されている建物は建築基準法によって床下に高さが確保されるようになっていて通気性がよくなっているのですが、昔建設された建物は基礎部分の高さの基準が設定されていなかったので床下が低いという建物が多くありました。
床下が40cmm未満しかない建物では通気性や換気性が悪く、そこに湿気が溜まってしまうことが多くあります。
建物のあちこちで湿気がこのように溜まってくるとシロアリが発生しやすい環境となっていきます。
近年建築されている建物については「全周換気」という構造になっているものが多く、建物の周囲全体から換気できることでで湿気が溜まりにくくなっています。
それでも建物の周囲に川、海、森などがある場合はその地域は全体的に湿気が多くなるためにやはりシロアリが発生しやすい環境となってしまいます。

シロアリが好む木材とは

シロアリは木材、特に湿った木材を好むのですが、それらの中でも特に「柔らかい木材」「ツーバイ材」といった木材を好みます。
これらの条件に当てはまる木材としては「エゾマツ」「ホワイトウッド」「スプルース」などがこれに当たります。
逆に硬い木材やヒノキチオールが含まれている木材はシロアリはあまり好まないという習性があるため、「ヒノキ」「チーク」「ヒバ」などはシロアリが発生しにくい木材となっています。

雨漏りが発生している建物である

建物のどこかで雨漏りが発生している場合はシロアリが発生しやすい原因となります。
実は日本のシロアリの発生の「約8割」が雨漏りが原因と言われています。
これが「雨漏りがシロアリの発生に関係している」と言える原因となっています。
雨漏りが発生する原因としては屋根材、棟板金などが劣化、破損しているということだけでなく、外壁が劣化している、雨樋が溢れている、ベランダでトラブルが起きているなど雨漏りの原因は数多くあります。
こうして建物のどこかで雨漏りが発生してしまうと、屋根裏の木材、床下の基礎部分などの木材が腐食していくこととなります。
このように雨漏りによって湿った木材、腐食した木材はシロアリの絶好の餌となるため、シロアリの発生に大きく関係してくるのです。

シロアリが発生しているサイン、現象とは

基本的にシロアリは屋根裏や床下などで発生していくため直接見ることがなかなかできず気づきにくいということがあります。
もちろんシロアリの発生にはできるだけ早く対処する必要があるため、早い段階での発見が重要となります。
ここではシロアリの発生サイン、起こる現象などについて紹介していきます。

「蟻道」が作られて建物内で乾いた音がするようになる

シロアリは建物に発生すると建物の内部と外部をつなぐトンネルを作るようになります。
このシロアリが通る道を「蟻道」と言います。
蟻道を通ってシロアリが侵入し、周囲を食べていくことによってその付近の木材部分が空洞になってしまいます。
空洞が発生している部分をシロアリが移動することでカサカサ、カラカラと乾いた音がするようになります。
建物内で乾いた音がするようになるとシロアリが移動しているという可能性があります。
また、この蟻道は外から見ても確認することができるため、蟻道が発見できると非常に危険な状態となっています。

使用した覚えがないのに水道代が高くなる

シロアリが床下で発生すると床下に設置されている排水管に水漏れが起きてきます。
排水管で水漏れが起きると、そこから余計に水が出ていってしまうために水道代が上がることとなります。
それほど水道を使った覚えがないのにいつもよりも水道代が上がっていた場合は床下などにシロアリが発生している可能性があります。

建物内に羽アリが発生している

羽アリは4~7月ごろに雄アリと女王アリが新しい巣を作るためにそれらが飛び立って行く際に大量に発生することとなります。
特に湿気が多い浴室部分や床下などで羽アリの発生が多くなっています。
羽アリとシロアリは似た性質があるため、羽アリが多く発生しているということはシロアリも共に発生している可能性も高くなります。
羽アリが発生している建物はシロアリも発生している可能性があるので要注意です。

シロアリの発生を防ぐための対処法、予防法とは

シロアリが発生しないようにするためにはしっかりと予防していくことが重要です。
ここではシロアリの発生を防ぐ方法を紹介していきます。

換気を重視する

シロアリは基本的には湿気が多い場所、通気性や換気性が悪い場所で発生することが多くなっています。
屋根裏や床下、浴室周りなどの水回りや湿気が溜まりやすい場所で発生しやすいのはこのためです。
そのため、シロアリの発生を防ぐには建物内の換気を行い、できるだけ湿気を溜めないということが重要なのです。
換気棟をつける、窓をあけて換気するといったことだけでなく、湿気が溜まりやすい場所に木材などを放置しないということも重要です。

屋根の塗装を定期的に行う

屋根材は正常に効果が機能しているうちは防水性や耐久性があるために雨漏りがしにくい、水が建物内部に侵入するのを防ぐといった効果が発揮されるのですが、そういった効果は経年劣化することで低下していきます。
例えば屋根材の表面の塗膜が劣化していくと薄くなっていく、剥がれたりするということがあります。
すると屋根材が劣化しやすくなり、雨風が建物内部に侵入しやすくなっていきます。
表面に塗装がなされている屋根材については定期的に塗装メンテナンスを行う必要があります。
この塗装メンテナンスを行う際に「防水性が高い」塗料を使うことで効果が見込めるでしょう。
ただ、塗装メンテナンスを行う際には必要な隙間まで塗料で埋まってしまうことがあるため、「縁切り」と呼ばれる作業を行って屋根材同士を切り離す必要があります。
必要な隙間まで塗膜やコーキングで埋めてしまうと、建物内に換気されない湿気が溜まってしまいそれが雨漏りの発生につながっていきます。
必要な隙間は中に湿気が溜まらないようにするために必要なものなのです。

屋根の修理、補強、メンテナンスを行う

やはり雨漏りの原因として多いのは屋根のどこかに何か問題が起きている場合です。
屋根材の劣化や破損、板金の破損などさまざなトラブルがあります。
雨漏りが発生するとシロアリの発生につながりますので、できるだけ早い段階で屋根の修理や補強を行う必要があります。
劣化、破損している部分がわずかであればそこだけ部分的に屋根材を交換する、補強することで解決する場合がありますが、劣化や破損している部分が大きい場合は屋根のカバー工法や葺き替えなどを考える必要もあります。
この際、まだ「換気棟」が設置されていないのであれば設置を考えるのも良いでしょう。
棟板金に換気棟を設置することで屋根内部に湿気を溜めないようにすることができます。

▷瓦のズレは雨漏りの原因に!気を付けておきたい劣化症状

▷人気を集めている「換気棟」について京都の屋根職人が解説

まとめ

シロアリの多くは湿気を好む、湿った木材を好むということがあるために湿気が溜まりやすい、雨漏りが発生している建物に発生しやすくなっています。
建物でシロアリが発生してしまうと木材が食べられるようになり、建物の耐久性が低下していくこととなります。
シロアリを予防するためには「換気をよくする」「硬い木材を使う」「雨漏りを放置しない」ということが重要になってくるのです。
雨漏りに関するコラム記事も多数用意しておりますので、是非、事前に学んで予防しておきましょう。

▷京都市でも多いスレート屋根の劣化症状と屋根修理方法について

▷雨樋に起こる不具合とその原因は?雨漏りのリスクについて解説

▷瓦屋根から雨漏りする原因とは?雨漏りを繰り返さない対策方法について