換気扇からの雨漏り!原因と対処法について
2024/12/02
換気扇は、換気口が設けられているため、雨漏りの原因となりやすい箇所です。
雨の吹き込み防止のために換気用フードが設置されているのが一般的ですが、劣化したり、隙間が生じている場合は雨水が染み込み、室内や外壁内部に被害をもたらしてしまいます。
換気扇からの雨漏りの原因と対処法について解説します。
換気扇の種類
換気扇は、台所のガス台の上に設置されているものが一般的です。また、トイレの換気や24時間換気用の換気扇もあります。形状としては、次の3つのいずれかになっています。
✅プロペラファン
✅シロッコファン
✅パイプファン
それぞれの特徴を確認しましょう。
プロペラファン
プロペラファンとは、壁に30平方センチメートルほどの四角形の穴をあけて、その穴にボックス型の換気扇をはめ込む形のものです。
構造が単純で、導入コストやメンテナンス費用も安いですし、掃除もしやすいというメリットがあります。
ただ、換気口が大きいだけに、適切な防水処理がなされていないと、雨漏りの原因になりますし、外壁の構造を痛めてしまい、耐力壁などが腐って、耐震面で危険な状態になることもあります。
シロッコファン
シロッコファンとは、レンジフードの内部にファンが設けられていて、ダクトを通して外の換気口につながっています。
そのため、換気扇を壁際に設置する必要はなく、部屋の真ん中に対面式のキッチンを設置することも可能です。
また、換気口は、17.5平方センチメートルほどの四角形の穴で足りるため、面積が小さく、プロペラファンと比べて、雨漏りしにくい構造になります。
パイプファン
パイプファンは、トイレの換気や24時間換気用の換気扇として利用されることが多いです。
室内側のファンは小さく、17.5平方センチメートルほどの四角形のボックス型となっています。
また、換気口も15平方センチメートルほどの円形の穴で足りるため、面積が小さく、雨漏りもしにくいです。
換気扇からの雨漏りとは?
換気扇からの雨漏りの多くは、換気扇の外側にある換気用フード本体や取り付け方、その周辺の外壁に原因があるのが一般的です。
換気用フード本体が原因の雨漏り
最近の換気用フード本体は、ステンレスなどの錆びにくい金属でできているため、換気用フード本体が劣化することはほとんどありませんが、一昔前の換気用フードの場合は、ステンレス以外の材料で作られている場合もあるため、錆びたり、劣化することもあります。
換気用フードは、換気扇の換気口から室内側に雨が入り込むことを防ぐ、屋根の役割を果たしています。換気用フードに穴が開いたり、欠けている場合は、屋根に穴が開いているのと同じなので、室内側に雨が入り込み、雨漏りの原因になってしまいます。
換気用フード本体と外壁の境目が原因の雨漏り
換気用フード本体と外壁の境目は、雨漏りの原因となりやすい箇所です。
この境目から、雨水が染み込まないように、コーキング(シーリング)やパッキンによって防水処理を行っていますが、コーキングやパッキンが劣化した場合は、外壁を伝った雨水がその隙間に入り込み、室内側への雨漏りにつながってしまいます。
換気用フード周辺の外壁が原因の雨漏り
換気用フードを取り付けるにあたっては、大きな開口部を設けなければなりません。
建物において、開口部付近は、弱い箇所となっており、地震などの揺れによって、外壁にひび割れが生じることがあります。
モルタル外壁の場合は、要注意ですし、窯業系サイディングでも、ひび割れが生じてしまうこともあります。
こうしたひび割れが大きくなると、その隙間から雨水が染み込み、雨漏りの原因となります。
換気扇からの雨漏りを放置した場合はどうなるか?
換気扇からの雨漏りを見つけた場合は、直ちに対処する必要があります。
雨漏り修理を行わずに放置した場合は次のようなリスクがあります。
室内側に雨が入る
換気扇からの雨漏りにより、室内側に雨だれが生じやすいです。
プロペラファンの場合、ガス台の周辺の壁はキッチンパネルやステンレスになっていることが多く、雨に濡れたとしても拭くだけで大丈夫ですが、気づくのが遅いと、ガス台の隙間からシステムキッチンの内部に雨水が入ってしまうこともあります。
トイレなどに設置されるパイプファンの場合は、室内側の外壁はクロス(壁紙)になっていることが多いです。
クロスに雨だれが生じた場合は、クロスが剥がれやすくなりますし、しみになったり、カビが発生してしまうこともあります。
漏電の危険がある
換気扇は、その近くにコンセントが設けられており、電源プラグを差し込んでその電力で換気扇を回しています。
プロペラファンやパイプファンの場合は、コンセントが見えていることが多いと思います。室内側に雨水が入り、コンセントに雨水がかかってしまうと漏電の危険があります。
シロッコファンでも、電力で動かしている以上、雨漏りによる漏電の危険があります。
外壁の内部に雨水が染み込む
換気扇からの雨漏りが生じている場合、室内だけでなく、外壁の内部に雨水が染み込んでいる可能性もあります。
外壁の内部に雨水が染み込んでしまった場合、ふき取ることも乾燥させることも容易ではありません。
外壁内部がじめじめした状態になってしまい、カビの発生や構造用合板などの、建物の耐震性を支える重要部分が腐食してしまう危険もあります。
また、じめじめした状態は白アリが好むため、シロアリを呼び寄せてしまう恐れもあります。
外壁の内部に雨水が染み込んでいることは、なかなか気づきにくく、かび臭さや、室内側のクロスに異変が生じた時点で、既に外壁内部が相当に傷んだ状態になっていることもあります。
換気扇からの雨漏りの対処方法
換気扇から雨漏りが生じている場合は、直ちにその原因を突き止めて、対処する必要があります。
換気扇からの雨漏りの応急措置
換気扇からの雨漏りを止めるための応急措置として有効なのが、防水テープの貼り付けです。
換気用フード本体に穴が空いている場合は、表側に防水テープを貼り付けることにより、ひとまず、雨をしのぐ事ができます。
換気用フード本体と外壁の境目に隙間が生じている場合や換気用フード周辺の外壁にひび割れがある場合も、それぞれの隙間に防水テープを貼ることで、当分の雨漏りは防げます。
ただ、防水テープは見た目が悪いですし、短期間で剥がれることもあります。
あくまでも修理を行うまでの応急処置に過ぎないことを念頭に置きましょう。
換気用フード本体を交換する
換気用フード本体に穴が空いている場合は、換気用フード本体を交換しましょう。
換気用フードと換気扇は、別の商品なので、換気用フードのみ交換することもできますし、逆に、換気扇のみ交換することも可能です。
現在では、換気用フードは、ステンレスなどの頑丈な金属でできている物がほとんどです。
樹脂製の換気用フードが劣化している場合は交換した方がいいですし、換気用フードが付いていない場合も、新たにつけた方が良いこともあります。
コーキング(シーリング)やパッキンの打ち替えを行う
換気用フード本体と外壁の境目に隙間が生じていて雨水が染み込んでいる場合は、コーキング(シーリング)やパッキンの打ち替えを行います。
換気用フードが外壁にしっかりと付いている場合は、コーキングのみの補修のみで済ませられることもあります。
この場合は、既存のコーキングの上に増し打ちする方法では、応急措置に過ぎないため、古いコーキングを剥がしたうえで、コーキングを打ち直す方法で工事した方が、防水性能が回復しやすいです。
換気用フードが外れかかっている場合は、一旦外して、付け直しますが、換気用フードが歪んでいる場合は、交換した方が良いこともあります。
また、下地が腐っている場合は、一旦外壁を剥がして下地から補修し直す必要があります。
外壁のひび割れ(クラック)補修を行う
外壁にひび割れ(クラック)が生じている場合は、ひび割れを埋める形での補修が必要です。
特にモルタル外壁の場合は、ひび割れが生じやすくなります。
外壁のひび割れ補修工事は次のような手順で行います。
①ひび割れをUカットやVカットの形にグラインダーで削る。
②ひび割れをきれいに掃除する。
③ひび割れの部分にプライマーを塗布する。
④ひび割れの部分をコーキング(シーリング)や樹脂モルタル(エポキシ樹脂)で埋める。
このようにしてひび割れを塞ぐことで、外壁内部への雨水の侵入を抑えることができます。
ただ、これだけでは、補修箇所が目立ってしまうため、外壁の塗装工事を検討したほうが良いこともあります。
外壁の大規模な補修工事を行う
下地が腐っている可能性がある場合は、一旦外壁を剥がして下地から補修し直す必要があります。
下地の補修では、外壁を剥がし、だめになった防水シートや腐った下地も剥がします。
その後、新たに構造用合板を打ち付けて、新しい防水シートを張ったうえで、外壁を施工します。
この場合、換気用フードや換気扇も新しく交換して、雨漏りしにくいものに替えた方が良いこともあります。
京都市や亀岡市の雨漏り修理は『Re,ルーフ』へご依頼ください
換気扇からの雨漏りは、室内側での雨だれだけでなく、外壁内部での雨漏りに繋がりやすく、建物の耐震性を維持するための重要部分が腐ってしまう恐れもあります。
そのため、換気扇からの雨漏りに気づいたら、早めに対策を講じる必要があります。
雨漏り修理業者にすぐに依頼できない場合でも、防水テープを貼るなどして応急措置を講じるべきです。
『Re,ルーフ』は、京都市や亀岡市を中心に京都府全域で屋根工事を中心に承っている職人直営店です。
雨漏り修理にも対応しておりますので、雨漏りでお悩みの方は、『Re,ルーフ』へお問い合わせください。