冬の凍害に注意!屋根の割れ・浮きを早期発見する方法

冬の凍害に注意!屋根の割れ・浮きを早期発見する方法

2025/12/10

凍害というと寒冷地や豪雪地帯だけの問題と思われがちですが、水が凍る地域であればどこでも発生する可能性があります。
屋根が凍害を受けると、屋根材が割れてしまい、その隙間から雨漏りが生じるようになります。
これを防ぐためには、本格的な冬が到来する前に、屋根の点検と修理を行っておくことが大切です。

凍害とは?

凍害とは、文字通り、建物の屋根や外壁が凍ることです。
東北や北海道などの寒冷地だけの問題と思われがちですが、水たまりに氷が張る地域であればどこでも凍害は大きな問題になります。

凍害の何が問題なのか?

水は凍ると体積が増えることをご存知だと思います。
例えば、ガラスのコップに水を入れて冷凍庫で凍らせるとコップが割れてしまいます。これは、水が凍ることで体積が増え、膨張したことによるものです。

凍害では、建物の屋根や外壁も同じ事が起きます。
例えば、屋根や外壁にひび割れがあり、そのひび割れの中に水分が浸入し、そのまま凍った場合、その水分は膨張します。
そのため、ひび割れがさらに拡大してしまうわけです。
そして、ひび割れがひどくなれば、雨漏りにつながってしまいます。

凍害を受けやすい屋根材と症状

水分を吸いやすくひび割れが発生しやすい建材ならば、どんな建材でも凍害を受ける可能性があります。

化粧スレートの屋根

化粧スレートは、セメントと繊維を固めたもので、素材自体には防水性がありません。そのため、防水性能は塗装により維持しています。
塗膜が劣化して、防水性が失われると水分を吸い込みやすくなり、冬場は凍害が発生しやすくなります。
主な症状は次のようなものです。

・表面の塗膜がひび割れて剥がれる。
・屋根材の端から欠けが生じ始める。
・屋根材のひび割れが深くなり割れてしまう。

最初は、塗膜と屋根材の間に水分が浸入し、塗膜が剥がれる形で被害が生じます。
屋根材に水分が吸収される状態になると、欠けや割れが更に広がってしまうわけです。

瓦屋根

瓦屋根は屋根材の中で最も寿命が長いですが、実は凍害の被害も受けやすい建材です。
瓦屋根は粘土を焼き上げたもので、新品時は耐水性が高いですが、劣化すると水分を吸収しやすくなり、凍害の被害により割れてしまうことがあります。
主な症状は次のようなものです。

・表面に細かいひび割れが生じる。
・釉薬が剥がれる。
・瓦の端から欠けが生じ始める。
・瓦のひび割れが深くなり割れてしまう。

瓦の表面をよく観察すると細かいひび割れが生じていることがあります。
経年劣化によりこうしたひび割れが広がると水分が入りやすくなり、凍害によって釉薬が剥がれ、ひび割れが徐々に拡大し、最終的には瓦の欠けや割れといった症状に発展します。

棟板金

棟板金は、ガルバリウム鋼板などでできているため、それ自体は凍害による被害を受けることはありません。
しかし、棟板金を止める釘が浮いてしまっている場合は、その隙間に水分が浸入し、凍結による膨張が起きて、釘が更に抜けやすい状態になってしまいます。
雨水も浸入しやすい状態になり、雨漏りの原因になってしまいますし、台風の季節になると強風被害により棟板金が剥がれてしまうこともあります。

雨樋

雨樋は、塩化ビニルやガルバリウム鋼板などでできています。
塩化ビニルでできている場合は、凍害によって割れてしまうことがあります。
例えば、雨樋の雨水が流れにくい状態になっていて、水が溜まった状態になっていると、凍結により膨張してしまい、破損が生じてしまいます。

凍害を受ける前の点検のポイントとは?

凍害は、屋根材や屋根の部材が劣化していることが原因で起きます。
そのため、本格的な冬が到来する前に点検して、凍害リスクを減らしておくことが大切です。

✅屋根が白っぽく見えるかどうか

冬になると屋根にも霜が降りることがあります。
しかし霜とは違う、白い粉をふいているような現象が生じることがないでしょうか。
もしも、こうした現象が生じている場合は、凍害によって屋根の表面の劣化が進んでいる可能性があります。

✅屋根材にひび割れがあるかどうか

屋根材にひび割れが確認できる場合は、冬場に凍害によってそのひび割れがさらに拡大するおそれがあります。

✅屋根材に反りがあるかどうか

薄いスレート屋根の場合、経年劣化により反りが生じることがあります。
屋根材に反りが生じるのは、水分を吸収し乾燥することを繰り返した結果です。
冬場は、水分を吸水すると凍害により割れてしまうリスクがあります。

✅棟板金のズレや歪みが確認できるかどうか

棟板金のズレや歪みは、棟板金を止める釘の固定力が失われたことで生じる現象です。
ズレた箇所から雨水が浸入して、更に釘が抜けやすくなったり、下地の貫板が劣化しやすくなります。

✅雨樋に不具合があるかどうか

雨樋の雨水が流れにくくなっていたり、歪むなどして雨水が溜まっている場合です。
冬場に雨水が溜まったままだと凍害リスクが高まります。

✅新築時から15年以上経っているかどうか

新築時から15年以上屋根を一度も点検していない場合は、屋根が凍害を受けるリスクが高まります。
15年以上経過すると、化粧スレート屋根であれば、塗膜が劣化して、防水性能が失われていますし、屋根材に目立たないひび割れが生じている可能性があるためです。

凍害を防止するには?

凍害を防止するには、屋根材が水分を吸収しにくい状態を保つことや棟板金の釘の抜けを直したり、雨樋の排水性を維持することが大切です。

塗装工事により防水性能を維持する

化粧スレートの屋根は、塗装により防水性能を維持しています。
そのため塗膜が劣化してきたら、塗装することで、防水性能を回復させることがポイントです。
塗装の目安としては、10年から15年に一度の頻度が理想です。
これにより、水分を吸収しにくい状態を維持すれば、冬場の凍害を防止することができます。

ひび割れを補修しておく

化粧スレートの屋根材にひび割れがある場合は、そのひび割れを補修することが大切です。
ひび割れを放置すると、冬場に凍害によりそのひび割れがさらに拡大してしまい、完全に割れてしまうこともあります。
割れや欠けがひどい場合は、屋根の葺き替え工事等を検討しましょう。

瓦屋根は劣化した瓦を葺き替える

瓦屋根は、塗装により補修する事はできません。
瓦屋根がひび割れている場合は、ひび割れた瓦を交換するしかありません。
瓦の場合は、全部の吹き替えだけでなく一部の瓦のみ葺き替えることも可能です。

また、漆喰の部分もひび割れている場合、凍害によりさらにひび割れが広がることがあります。
そこで、漆喰のひび割れを発見したら、漆喰を詰め直す工事を行っておきましょう。

棟板金の釘抜けや浮きを確認する

棟板金の釘抜けや浮きがある場合は、水分が浸入しやすくなり、さらに、釘抜けや浮きがひどくなってしまいます。
そこで、冬になる前に、棟板金の補修工事を行っておきましょう。
棟板金の補修は、貫板と呼ばれる下地の板材の交換から行います。
貫板が木材の場合は、劣化しやすく固定力も年々低下しやすいため、樹脂や金属の下地に交換することも検討しましょう。

雨樋の詰まりを直しておく

雨樋が詰まって雨水が流れにくくなっている場合は、凍害により割れてしまうことがあります。
特に、秋は落葉によって葉っぱが雨樋に集まりやすい季節です。
本格的な冬が到来する前に雨樋を掃除して、詰まりを直しておくことが大切です。

凍害を受けてしまった場合は?

凍害によって、屋根材が割れてしまった場合は、屋根材を交換するしかありません。
屋根材の交換が必要な被害状況での屋根の補修工事方法は2つあります。

・屋根カバー工法(重ね葺き工事)
・屋根の葺き替え工事

屋根カバー工法は、既存の屋根の上に金属屋根などを葺く工事ですが、下地材の強度が十分な場合に採用できるものです。
凍害を受けている場合、下地も傷んでいる可能性があります。この場合は、屋根の葺き替え工事により対処したほうが無難です。

凍害を受けにくい屋根材とは?

屋根の凍害は、化粧スレートや瓦屋根で発生します。
一方で凍害を受けにくい屋根材もあります。代表例が金属屋根です。
ガルバリウム鋼板などの錆びにくい金属でできている金属屋根は当然ながら水分を吸収する要素がないため、凍害を受けることはありません。

また、瓦でも石州瓦は吸水率が低く、凍害を受けにくい屋根材です。
これは、石州瓦を焼く温度が通常の瓦よりも高いため、気泡が残りにくく、固い瓦を作れることによります。

凍害が心配なら、こうした屋根材に葺き替えることも検討してください。

まとめ

屋根に不具合がある場合は、凍害によって、ひび割れが拡大したり、屋根の部材が破損するといった被害が生じる恐れがあります。本格的に寒くなる前に修理しておきましょう。
Re,ルーフは、京都市右京区を中心に活躍する屋根工事職人直営店です。京都市や亀岡市などを中心に京都府全域で屋根工事や雨漏り修理工事を承っています。職人直営店なので、本当に工事に必要な費用だけで屋根工事や雨漏り修理工事を行うことができます。
凍害が不安など、屋根についてのお悩み事がある方はお気軽にご相談ください。ご相談いただければすぐに対応いたします。