増築で後悔しないために!知っておきたい雨漏りリスクと予防策

増築で後悔しないために!知っておきたい雨漏りリスクと予防策

2025/01/27

家族構成の変化に合わせて、住み慣れた家を離れることなく建物の増築によって広げたいとお考えの方も多いでしょう。その一方で、安易に増築すると雨漏りのリスクが大きくなることをご存知でしょうか?
雨漏りは、単に室内が濡れるという問題だけではありません。建物の構造体を腐食させ建物の寿命を縮めてしまうだけでなく、カビの発生による健康被害など深刻な問題を引き起こす可能性があります。
本記事では、屋根工事会社として長年培ってきた経験と知識をもとに、増築に伴う雨漏りリスクとその予防策について、詳しく解説していきます。

増築が雨漏りを引き起こす理由

なぜ増築が雨漏りのリスクを高めてしまうのでしょうか?ここでは、その主な理由を3つに分けて解説します。

新旧の接合部の問題

増築の際、最も雨漏りのリスクが高くなるのが、既存部分と増築部分の接合部です。
新旧の建物は、使用されている建材や構造が異なることが多く、この接合部は建物の構造的な弱点となりやすいのです。
特に注意が必要なのが、屋根や外壁の取り合い部分です。例えば、既存の屋根に新しい屋根を繋げる場合、この接合部から雨水が浸入するケースが非常に多く見られます。新旧の屋根材が異なる場合や、屋根の勾配が変わる場合などは、特に注意が必要です。
さらに、強風や地震の際には、新旧の建物で揺れ方が異なるため、接合部にズレや歪みが生じやすくなります。このズレが拡大すると、雨水の浸入経路となり、雨漏りを引き起こす原因となります。

防水処理の不備

増築部分の防水処理が不十分な場合も、雨漏りの大きな原因となります。
特に、屋根や外壁、窓周りなどの防水処理は、雨水の浸入を防ぐために非常に重要です。
例えば、屋根の防水シートの重ね合わせ部分や端部の処理などの施工に不備があると、そこから雨水が浸入し雨漏りを引き起こします。
防水処理は、使用する材料の選定や施工方法など、専門的な知識と技術が求められる作業です。経験不足や技術不足の業者による施工不良が、雨漏りの原因となるケースも少なくありません。

既存建物の老朽化

増築前から既存建物に劣化があった場合、増築をきっかけに雨漏りが顕在化することがあります。例えば、屋根材のひび割れや外壁のシーリングの劣化、雨樋の詰まりなど、一見問題ないように見えても、実は老朽化が進んでいるケースがあります。
増築工事では、既存の建物に振動や衝撃が加わるため、これらの劣化部分から雨水が浸入しやすくなります。また、増築によって屋根の形状や排水経路が変わることで、これまで問題なかった部分に雨水が集中し、雨漏りを引き起こすこともあります。
そのため、増築前には必ず既存部分の状態を詳細に確認し、必要に応じて補修やメンテナンスを行うことが重要です。

増築前に確認すべきポイント

雨漏りのリスクを最小限に抑えるためには、増築前の準備が非常に重要です。ここでは、増築前に必ず確認すべき5つのポイントについて解説します。

①信頼できる業者の選定

増築工事を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが最も重要です。業者選びの際には、以下のポイントを確認しましょう。

✅増築工事の実績

増築工事の実績が豊富かどうかを確認しましょう。可能であれば業者の過去の施工事例を見せてもらい、仕上がりや顧客の評価などを参考にすると良いでしょう。

✅業者の評判

ネットの口コミサイトや知人からの紹介などを活用して、業者の評判を確認しましょう。

✅見積金額の比較

複数の業者から見積もりを取り、費用や工事内容を比較検討しましょう。安さだけでなく、使用する材料や施工方法、保証内容などを総合的に判断することが大切です。

✅契約内容・保証内容

契約書の内容をよく確認し、不明な点は必ず質問しましょう。特に、工事内容と費用、保証内容などはトラブルを避けるためにもしっかりと確認しておく必要があります。また、定期点検の実施や緊急時の駆けつけ確認などのアフターサービス体制も重要です。

②詳細な現地調査

信頼できる業者を選んだら、次は詳細な現地調査を依頼しましょう。現地調査では、以下の点を確認してもらうことが重要です。

✅既存建物の状態

屋根材の種類や劣化状況、外壁のひび割れやシーリングの状態、雨樋の詰まりなど、既存建物の状態を詳細に確認してもらいます。

✅増築プランのリスク

増築プランに基づいて、雨漏りのリスクがないかを確認してもらいます。特に、屋根や外壁の接合部分、排水計画などに問題がないかをチェックしてもらいます。

✅必要な補修・メンテナンス

現地調査の結果、既存部分に補修やメンテナンスが必要な場合は、その内容と費用を確認します。現地調査は、雨漏りリスクを把握し、適切な対策を講じるために非常に重要なステップです。経験豊富な専門業者であれば、潜在的なリスクも見逃さずに指摘してくれるでしょう。

③適切な設計プランの策定

現地調査の結果を踏まえ、雨漏りリスクを最小限に抑えた設計プランを策定することが重要です。特に、以下の点に注意して設計プランを検討しましょう。

✅屋根形状

雨水の流れを考慮した屋根形状にすることが重要です。例えば、雨水が溜まりやすい谷部分をなくしたり、屋根の勾配を適切に設定したりすることで、雨漏りのリスクを軽減できます。

✅排水計画

増築によって雨水の排水経路が変わる場合は、適切な排水計画を立てる必要があります。雨樋の位置やサイズ、排水管の経路などを慎重に検討し、スムーズに排水できるように設計しましょう。

✅新旧屋根の接続方法

新旧の屋根を同じ形状で繋げることは、基本的には推奨できません。前述のように新旧の建物は揺れ方が異なるため、接続部にズレが生じ、雨漏りの原因となります。屋根の高さを変えたり、エキスパンションジョイントと呼ばれる緩衝材を設けたりするなど、設計上の配慮が必要です。
設計段階でしっかりと対策を講じておくことで、将来的な雨漏りのリスクを大幅に軽減することができます。経験豊富な設計士や施工業者とよく相談し、最適なプランを策定しましょう。

増築後の雨漏りを予防するメンテナンス

どんなに優れた設計と施工を行ったとしても、建物の経年劣化は避けられません。増築後の雨漏りを予防するためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。

定期的な点検の重要性

増築後も、定期的に屋根や外壁の状態を点検することが重要です。特に台風や大雨、地震などの後には必ず点検を行うようにしましょう。これらの自然災害は、建物に大きな負荷を与え、屋根や外壁に損傷を与える可能性があります。
点検の際には、屋根材のズレや割れ、外壁のひび割れ、シーリングの劣化、雨樋の詰まりなどを確認しましょう。
また、天井や壁にシミやカビが発生していると雨漏りの初期症状である可能性がありますので、併せて確認するようにします。

早期発見・早期対応

点検によって、目視で確認できる瓦のズレや、いつもと違う場所に雨筋ができているなど、小さな劣化や不具合を発見した場合は、放置せずに早めに修理することが重要です。
小さな劣化を放置しておくと、時間の経過とともに劣化が進行し、最終的には雨漏りへと繋がってしまいます。
早期に発見し、適切な修理を行うことで、雨漏りの発生を防ぎ、建物の寿命を延ばすことができます。また、被害が小さいうちに修理することで、修理費用を抑えることもできるでしょう。

専門業者による定期メンテナンス

屋根の上は高所で危険が伴うため、一般の方がご自身で点検や修理を行うことはおすすめできません。安全かつ確実に点検とメンテナンスを行うためには、専門業者に依頼することが重要です。
多くの屋根工事業者は、定期点検やメンテナンスサービスを提供しています。数年に一度は専門業者による点検とメンテナンスを受けることで、屋根や外壁の状態を正確に把握し、必要な補修やメンテナンスを適切なタイミングで行うことができます。

雨漏りが発生してしまった場合の対処法

万が一雨漏りが発生してしまった場合は、迅速かつ適切な対処が必要です。ここでは、雨漏り発生時に慌てないための初期対処法について解説します。

早急な応急処置

雨漏りを発見したら、まずは被害の拡大を防ぐために、応急処置を行いましょう。
雨漏りしている箇所の下に、バケツや洗面器などを置いて雨水を受け止めます。かつ、雨漏りの影響を受けそうな家具や家電は、安全な場所に移動させましょう。
雨漏りの範囲が広い場合は、ブルーシートなどで覆い、被害の拡大を防ぎます。

専門業者への連絡

応急処置を行ったら、早急に専門業者に連絡し、原因調査と修理を依頼しましょう。雨漏りの原因は、屋根や外壁の劣化、防水処理の施工不良などさまざまです。専門業者は、豊富な経験と知識をもとに、雨漏りの原因を特定し適切な修理方法を提案してくれるでしょう。

火災保険の適用確認

雨漏りの原因によっては、火災保険で修理費用が補填される場合があります。例えば、台風や強風、豪雪などの自然災害によって屋根が破損し雨漏りが発生した場合は、火災保険が適用できる可能性があります。
ただし、火災保険の契約内容によっては補償の対象外となる場合もあります。雨漏りが発生したら、まずは加入している火災保険の契約内容を確認し、加入している保険会社のサポートデスクや販売代理店に問い合わせてみましょう。

まとめ

増築の雨漏りのリスクを軽視すると、建物の劣化や健康被害、経済的な損失など、深刻な問題に繋がりかねません。そのためには、事前の対策と適切なメンテナンスが重要です
京都市右京区の屋根工事・雨漏り修理専門店のRe,ルーフは、長年にわたり屋根工事に携わってきた経験と実績をもとに、お客様の安心で快適な住まいづくりをサポートいたします。
増築に伴う雨漏りリスクについてのご相談や、現地調査に関してもお気軽にお問い合わせください。