トタン屋根の劣化症状と修理方法について徹底解説!

トタン屋根の劣化症状と修理方法について徹底解説!

2025/01/06

トタン屋根は比較的安価で施工が容易な屋根材です。
現在でも住宅や車庫、倉庫の屋根などに広く使用されていますが、経年により錆びてしまうという難点があります。

本記事ではトタン屋根の劣化症状と修理方法について、専門家の視点から詳しく解説していきます。長くお使いいただくための点検ポイントについても分かりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

トタン屋根とは?

まずはトタン屋根の特徴とメリット・デメリットについて整理してみましょう。

トタン屋根の特徴

トタン屋根は薄い金属鋼板の表面に亜鉛メッキを施した材料で、正式名称は「亜鉛メッキ鋼板」と呼ばれます。

高度経済成長期に建てられた住宅や倉庫には、トタン屋根が数多く使用されていましたが、現在では鉄板を亜鉛とアルミニウムの合金で被覆した「ガルバリウム鋼板」が主流となっています。

トタン屋根には以下のような特徴があります。

☑耐久性

トタン屋根は亜鉛メッキによる防錆効果が特徴で、適切なメンテナンスを行うことで30年以上の寿命を期待できます。

☑耐震性

トタン屋根は薄い金属でできており軽量であるため、建物全体への負担が少なく、地震に強い特徴があります。

☑防水性

適切な施工と定期的なメンテナンスにより、高い防水性を発揮します。

☑低コスト

瓦やスレート屋根などの他の屋根材と比較して、一般的に材料費・施工費ともに安価で経済的です。

トタン屋根の耐用年数

トタン屋根は適切な状態を維持すれば、30年以上使用することが可能な耐久性を備えています。しかし、サビが発生すると屋根の寿命に大きな影響を及ぼします。

サビが一度発生すると加速度的に腐食が進行し、最終的には鋼板に穴が開いてしまう危険性があります。これにより、雨漏りなどの深刻な問題が発生する可能性が高くなってしまいます。

トタン屋根のメリットとデメリット

トタン屋根のメリット

施工費用が比較的安価
軽量で建物への負担が少ない
工期が短く、施工が容易
長尺施工が可能で継ぎ目が出にくく、雨漏りしにくい

トタン屋根のデメリット

経年劣化により錆びやすい
遮音性が低く、雨音が気になりやすい
断熱性が低く、室内温度の調整が難しい

トタン屋根の種類と工法

トタン屋根には様々な施工方法があります。
特に住宅や倉庫で頻繁に見かけるのは「波板葺き」と「瓦棒葺き」の2種類です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

・波板葺き

波型のトタン板を屋根の傾斜に沿って重ねていく最もシンプルな工法です。施工が容易で費用対効果に優れているため、多くの建物で採用されています。

・瓦棒葺き

防水性を高めるために継ぎ目部分に専用のキャップを取り付ける工法です。住宅用屋根材として高い信頼性を誇り、広く普及しています。

・立平葺き

L字型に加工したトタン板を縦方向に並べ、端部を折り曲げて接合する工法です。美しい仕上がりが特徴で、デザイン性を重視した建築物に採用されています。

・横葺き

トタン板を屋根の横方向に葺いていく工法です。瓦屋根に似た外観を実現できますが、緩勾配の屋根では防水性に注意が必要です。

・折板葺き

厚めのトタン板を台形状に成形して使用する工法です。下地材が不要なため、大型の工場や倉庫など、広い面積の屋根に適した経済的な工法です。

トタン屋根の劣化症状について

トタン屋根は長年の使用により、様々な形で劣化が進行していきます。
主な症状として、サビの発生、塗装の劣化、そして構造的な変形の3つに大別されます。

①サビの発生

トタン屋根で最も頻繁に見られる劣化症状がサビの発生です。サビは主に2種類存在します。
一つは鉄の酸化によって生じる茶褐色の「赤サビ」で、これは放置すると屋根に穴が開く可能性があり、早急な対処が必要です。
もう一つは亜鉛メッキ層の酸化による「白サビ」で、これはメッキによる防錆機能が低下していることを示す重要なサインとなります。

②塗装の劣化

塗装の劣化は、主に次の3つの形態で発現します。外線や風雨による経年劣化で発生する「塗装の剥がれ」、日光による「色あせ」、そして塗膜が粉状化する「チョーキング」です。
これらの症状は、屋根の保護機能を著しく低下させる原因となりますので、発見したら早期に手当をすべきでしょう。

③変形・歪み

トタン屋根の構造的な問題としては、変形や歪みが挙げられます。
強風による変形や冬季の積雪による重量負荷、そして気温の変化に伴う膨張収縮などによって引き起こされます。
このような変形や歪みが発生すると、防水性能の低下や雨漏りの原因となる可能性があります。

トタン屋根の点検とメンテナンス方法

トタン屋根を長く快適に使用するためには、適切な点検とメンテナンスが不可欠です。
計画的なメンテナンスを実施することで、屋根の寿命を大幅に延ばすことができ、結果として維持費用の削減にもつながります。

メンテナンスのポイント
・年2回の定期点検を実施
・落ち葉やゴミの定期的な除去
・5~7年ごとの塗装メンテナンス
・コーキングの定期的な点検と打ち替え
・異常を発見したら早めに専門家に相談

日常的な点検とケア

屋根の状態を良好に保つためには、年に2回程度の定期点検が推奨されます。
特に台風シーズン前と冬季の前には、必ず点検を行うようにしましょう。

日常的なメンテナンスとしては、落ち葉やゴミの除去、雨どいの清掃が重要です。これらの堆積物は排水不良の原因となり、最終的には屋根の劣化を加速させる要因となります。

予防的メンテナンス

予防的なメンテナンスの中で最も重要なのが塗装です。
トタン屋根は一般的に5〜7年ごとの塗り替えが推奨されており、これにより防錆効果を維持し、屋根の寿命を延ばすことができます。

また、屋根材の接合部に使用されているコーキングは経年劣化により硬化や剥離が発生するため、定期的な打ち替えが必要です。

専門家による点検と修理

トタン屋根の状態に不安がある場合は、早めに専門業者に相談することをお勧めします。
特に雨漏りの兆候や著しい劣化が見られる場合は、速やかに対処することで、大規模な修理を防ぐことができます。

トタン屋根の修理方法

トタン屋根の修理は、劣化の程度によって適切な方法を選択する必要があります。
修理方法は大きく分けて、部分修理、塗装工事、葺き替え工事の3つに分類されます。

修理方法選択のポイント
・劣化の程度を正確に診断する
・予算と長期的な費用対効果を考慮する
・建物の構造や使用環境に適した工法を選択する
・信頼できる専門業者に相談する

①部分修理

軽度な劣化の場合は、部分的な修理で対応が可能です。
具体的には、サビが発生している箇所の除去と防錆処理、塗装の剥がれている部分の補修、シーリング材の劣化に対するコーキングの打ち直し、そして経年による緩みが生じた釘の打ち直しや補強などが含まれます。
これらの部分修理は、早期に対応することで大規模な修理を防ぐことができます。

②塗装工事

屋根全体に劣化が見られる場合は、塗装工事が効果的な解決策となります。
まず高圧洗浄による徹底的な清掃から始まり、その後サビ落としやプライマー塗布などの下地処理を行います。
防錆効果の高い塗料で下塗りをした上で仕上げ塗装を施工することで、屋根の保護機能を回復させることができます。

③葺き替え工事

トタン屋根に深刻な劣化が進行している場合は、葺き替え工事が必要となります。
葺き替え工事には、既存の屋根材を完全に撤去して新しい屋根材に交換する「全面葺き替え」と、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する「重ね葺き(カバーリング)」の2種類があります。

それぞれの工法には特徴があり、建物の状態や予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。

トタン屋根の修理業者選びのポイント

トタン屋根の修理を依頼する際、適切な業者選びは工事の成否を左右する重要な要素となります。
信頼できる業者を選定することで、質の高い施工と長期的な安心を得ることができます。

豊富な実績と経験を持つ業者を選定する

実績と経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。
長年の施工経験を持つ業者は、様々な状況に対応できる技術力と知識を有しており、予期せぬ問題が発生した際も適切に対処することができます。

保証内容を詳細に確認する

保証内容の確認は必須です。
施工後のアフターフォローや保証期間、保証範囲などを明確にすることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。

複数の見積もりを比較検討する

工事を検討する際には、複数の業者から見積もりを取得して比較することをお勧めします。
単に価格だけでなく、提案される工事内容や使用する材料の品質なども含めて総合的に判断することが大切です。

施工事例と顧客の評価を参考にする

過去の施工事例や顧客からの口コミを確認することで、業者の信頼性や技術力をより具体的に把握することができます。
可能であれば、実際の施工例を見ることでその業者の仕事の質を評価することができます。

まとめ

トタン屋根は、比較的安価で施工が容易な屋根材として広く使用されていますが、経年劣化による錆びや劣化には注意が必要です。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、30年以上の長期使用が可能となります。

屋根の状態に不安を感じた場合は、早めに専門家による診断を受けることをお勧めします。特に、サビの発生や雨漏りの兆候が見られる場合は、速やかな対応が重要です。
信頼できる業者を選定し、適切な修理方法を選択することで、安全で快適な住環境を維持することができます。

株式会社Re,ルーフは、京都市右京区を中心に京都市・亀岡市など京都府全域、さらに滋賀県にも出張可能な雨漏り修理の達人です。丁寧な仕事は当たり前、プラスアルファをお届けできるようにしたいという想いでお客様の大切な建物を守ります。

瓦だけでなく板金などあらゆる屋根工事に対応可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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