古い瓦を再利用できる?葺き直しと廃材処理の違い
2025/11/11
瓦は他の屋根材と比べても耐用年数が非常に長いのが特長です。そのため、古い瓦をそのまま再利用する葺き直し工事を行うことができます。
屋根材を新調する場合は、葺き替え工事になりますが、この場合でも古い瓦を処分する以外にも再利用する方法もあります。
瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事の違いや、古い瓦の再利用方法について紹介します。
瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事とは?

屋根材を剥がして工事する方法としては、葺き直し工事と葺き替え工事の2つがあります。
・葺き直し工事は、剥がした屋根材を再利用する工事です。
・葺き替え工事は、剥がした屋根材を処分して新しい屋根材に替える工事です。
化粧スレートや金属屋根の場合は、葺き替え工事しかできませんが、瓦の場合は、葺き直し工事と葺き替え工事のどちらも選ぶことができます。
つまり、瓦は、一旦剥がした後で、再利用することができるのです。
瓦を葺き直し工事で再利用できる理由とは?
瓦を葺き直し工事で再利用できる理由は、瓦の耐用年数が非常に長いためです。
一般的な和瓦ならば、50〜100年程度の耐用年数があります。
耐用年数が50年だとしても、50年の間に瓦がずれることもあります。漆喰部分は20年程度でメンテナンスが必要です。
また、瓦の下に敷かれている防水シート(ルーフィング)は、10〜20年程度の耐用年数しかありません。
こうしたことから、50年間のうち、何回かは、瓦屋根のメンテナンスが必要になります。
その際、葺き直し工事により、瓦を再利用できるわけです。
瓦の葺き直し工事の流れ
瓦の葺き直し工事を行う場合は、最初に、瓦を剥がします。瓦は再利用するため、一枚一枚、丁寧に剥がしていきます。
割らないように剥がすことは大変根気のいる作業なので、かなりの人件費がかかります。
ただ、全く割らずに剥がすことは難しく、中には、割れてしまう瓦が出てしまいます。もともと劣化していて、割れやすくなっているものもあります。
割れた分については新しい瓦を追加します。
その後は、防水シート(ルーフィング)を剥がして、野地板などの下地の状態を確認し、必要に応じて工事を行います。
そして、新しい防水シートを張り、瓦桟木を打って、瓦を葺いていきます。
瓦の葺き直し工事を行うことのメリット

瓦の葺き直し工事を行うことのメリットは、瓦の廃材処理が必要なく、その費用がかからない点です。
また、お気に入りの瓦であれば再利用することでより一層愛着を持てるはずです。
瓦の廃材処理が必要ない
瓦を処分する際は、産業廃棄物として引き取ってもらいます。
瓦は他の建材と比較しても重量があるため、運搬費用が高くなり、平均すると30万円程度の費用がかかります。
これとは別に解体工事の際の人件費がかかります。
つまり、瓦は処分するだけでも結構な費用がかかるので、再利用できれば、その分のコストを抑えられるということです。
外観が大きく変わらない
同じ瓦を利用することによって、屋根の外観を大きく変えずに、屋根のリフォームを行うことができます。
耐用年数が長い防水シート(ルーフィング)を選べば、この先、雨漏りのリスクも大幅に軽減できます。
外観を変えずに、屋根の性能をグレードアップさせることもできるわけです。
屋根の形状や外観などで規制がある地域の場合は、有効な選択と言えます。
瓦の葺き直し工事を行うことのデメリット

瓦の葺き直し工事には、いくつかのデメリットがあります。このデメリットがあるために、葺き替え工事を選択したほうがお得だと考えることもあるかもしれません。
同じ瓦が手に入るとは限らない
瓦の葺き直し工事では、すべての瓦を再利用できるとは限らず、中には割れているため交換が必要になるものも出てきます。
このような場合、同じ瓦が手に入らない場合は、似た瓦で代用しなければならなくなります。
似た瓦で代用した部分が気になってしまい、やっぱり、葺き替え工事をすべきだったと後悔することもあるかもしれません。
人件費がかかる
瓦の葺き直し工事では、一枚一枚丁寧に瓦を剥がすのに手間がかかります。その分、人件費がかかってしまうため、費用面では、葺き替え工事と大差がないこともあります。
それなら、葺き替え工事で全面的に新しい瓦に変えたほうが良いとも言えます。
耐用年数が短くなる
瓦の耐用年数は50年程度です。新築時から25年目で瓦の葺き直し工事を行い、古い瓦を利用した場合、残りの耐用年数は25年ということになります。
新品を葺いた場合と比べて長い耐用年数は期待できないということです。
瓦の葺き替え工事の流れ

瓦の葺き替え工事でも、最初に瓦を剥がします。ただ、多少扱いが荒くても問題ないため、葺き直し工事よりも解体スピードが早いです。
その後は、防水シート(ルーフィング)を剥がして、野地板などの下地の状態を確認し、必要に応じて工事を行います。
そして、新しい防水シートを敷き、桟木を打って、新しい屋根材を葺いていきます。
瓦の葺き替え工事を行うことのメリット

瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事の工程はほとんど同じです。工事日数も大きく変わるわけではありません。
それでいて、新品の屋根材を使って完璧に屋根を新しくできる点がメリットと言えます。
耐用年数をリセットできる
新品の瓦に変えることで、葺き替え工事時から新たに50年超の耐用年数が期待できます。今では、防水シート(ルーフィング)も耐用年数が長いものがありますので、そうした商品と組み合わせることで、今後、長い期間にわたり、屋根からの雨漏りを心配する必要がなくなります。
同じ瓦が手に入るか心配する必要がない
瓦の葺き直し工事では、割れた瓦などは、他の瓦を調達する必要がありますが、同じ瓦が手に入るか気をもむものです。
似た瓦が手に入るまで、工事が中断する可能性もあります。
その点、新しい瓦を利用する場合は、すぐに調達できますから、瓦の調達で頭を悩ませる必要がありません。
瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事のどちらを選ぶべきか?
瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事のどちらを選ぶべきか迷われている方も多いと思います。
結論から言うと、今の瓦に特別な思い入れがあるのでなければ、葺き替え工事を選択するのが無難です。
瓦は、耐用年数が長いとは言え、いつまでも使えるわけではありません。
いずれ寿命が来るのですから、屋根の全面的なリフォームを行った際に瓦を新調しておいたほうが良いでしょう。
費用面でも、古い瓦を再利用する場合と、新しい瓦を調達する場合とで、大差がないことも多いです。
古い瓦を再利用する方法
葺き替え工事を行う場合は、古い瓦は処分するのが基本ですが、もったいないとお思いの場合は、様々な形で再利用することもできます。
葺き直し工事で古い瓦を使う場合以外に、古い瓦を再利用する方法を紹介します。
✅そのまま外構で利用する
瓦は耐用年数が長い上に、頑丈なので屋根瓦以外の方法で再利用することもできます。
代表的な使い方が、外構で利用する方法です。
瓦をそのままの形で、花壇の囲いに使うこともできますし、土留め用の資材に利用することもできます。
瓦を地面に敷いて敷石代わりにすることもできます。
色々な使い道があるので、検討してみてください。
✅瓦チップに変えて庭で使う
瓦チップとは、瓦を粉砕して砕石にしたものです。これを砂利の代わりに庭に敷くことも可能です。
和風、洋風を問わず、魅力的な庭に仕上げることができます。
なお、瓦チップは、ハンマーで叩いて割ればできるというものではありません。
大量の瓦チップを作るなら、専用の粉砕機を利用して作る必要があるので、その分の費用がかかります。
✅再利用方法がない場合は処分する
瓦を捨てるのはもったいないとお思いになるかもしれませんが、使い道がないのに庭に積んでおくだけでは、景観が悪くなります。
使い道がない場合は、瓦の葺き替え工事の際に思い切って処分しましょう。
まとめ
瓦の葺き直し工事と、瓦の葺き替え工事の違いや、古い瓦の再利用方法について紹介しました。
古い瓦は、葺き直し工事で再利用する方法のほか、外構で利用したり、瓦チップに変えることも可能です。
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