「春・梅雨・台風・雪」季節ごとに変わる屋根メンテナンスポイントまとめ
2025/07/31
季節ごとに重点的にチェックしたい屋根のメンテナンスポイントは変化します。特に雨が多くなる梅雨時期や台風シーズンは屋根への負担が増えるため、劣化していた屋根が雨漏りを起こすことも少なくありません。この記事では、季節ごとに変わる屋根メンテナンスポイントを解説します。年間通してのメンテナンスポイントを知りたい方や、中古住宅を購入した方はぜひ参考にしてください。
春の屋根メンテナンス:冬の被害チェックと梅雨対策
春の屋根メンテナンスは、冬に受けた屋根へのダメージチェックと梅雨シーズンに向けた雨への対策がポイントです。気候が安定しやすいシーズンであるため、屋根メンテナンスに最適な時期とも言えます。
チェックポイント
✔雪による屋根材への被害
積雪や凍結によって屋根材がひび割れたりズレが発生していないかなどを確認します。特に軒先や雪止め付近には雪の重量がかかりやすく、屋根材が破損しやすいため重点的にチェックしましょう。
✔雨樋の変形や破損
軒先にある雨樋も雪の重みがかかりやすく、破損したり変形したりすることの多い設備です。雨樋の破損や変形は、集めた雨水を思わぬ場所へ流してしまい、雨漏りの原因になる場合もあるため注意しましょう。
✔苔・カビ・汚れのチェック
春になり暖かくなってくると苔やカビが発生し、屋根が汚れやすくなります。特に屋根の北面は日光が当たりにくくなるため、苔やカビが発生しやすい条件が揃っています。
メンテナンスポイント
✔屋根材の部分的な補修・交換
劣化した屋根材は、積雪の重みや凍結によってひび割れやズレが起こりやすくなります。屋根材の破損が一部であれば部分的な交換や修復も可能です。とくにスレート屋根は、劣化すると重みで割れやすいため注意が必要です。
✔苔・カビ・汚れ落とし
苔やカビが発生すると屋根の劣化を進行させ、表面についた汚れは屋根の遮熱性を低下させます。高圧洗浄や専用の洗剤によって落とすことが可能ですが、高所作業になるため専門業者に依頼するのが安全です。
✔塗装メンテナンスの検討
屋根の苔やカビ、汚れを落とすと同時に塗装メンテナンスがおすすめです。春は気温や湿度が安定しやすいため、塗装メンテナンスにうってつけの季節です。塗装によって屋根の防水性能を高め、梅雨シーズンに備えましょう。
梅雨の屋根メンテナンス:雨漏り対策と防水強化
梅雨の屋根メンテナンスは、雨漏りへの対策と屋根の防水強化に重点を置いて行います。梅雨シーズンは、長期間にわたって多湿状態が続くため、屋根の不具合が雨漏りに発展する可能性が高く、警戒が必要な時期でもあります。
チェックポイント
✔屋根材の防水性能チェック
雨が続く梅雨シーズンは、屋根材が持つ防水性能が最大限発揮される時期です。さまざまな種類の屋根材がありますが、どのような屋根材も防水性能を備えています。屋根材の劣化が進むと本来の防水性能を発揮できなくなるため、雨漏りのリスクが高まります。本格的な梅雨シーズンに入る前に、屋根が防水性能を保った状態であるのか確認しましょう。
✔雨漏りの初期兆候を見逃さない
雨漏りの初期兆候として、天井クロスのシミやカビの臭いなどがあり、屋根裏からポタポタと水滴の落ちる音が聞こえるケースもあります。このような症状が確認出来たら早急に専門業者へ点検・修理の依頼をしましょう。
✔雨樋の排水能力チェック
雨樋が本来の排水能力を発揮できているかチェックしましょう。落ち葉の詰まりや変形・破損があると本来の排水能力を発揮できません。雨樋にはさまざまな形があり、排水能力は地域別の降雨強度を目安にしています。一時間当たりの降雨量を160・140・120・100mm(住宅が所在する地域によって異なる)とした場合に、十分な排水能力を確保できる雨樋を設置します。
メンテナンスポイント
✔屋根材の補修交換
屋根材の防水性能が低下している場合には、塗装によるメンテナンスで防水性能を取り戻すことができます。屋根材の劣化が著しく進んでいて、塗装によるメンテナンスができない場合には、屋根の葺き替え工事やカバー工法などで全面交換が必要になるケースもあります。
✔棟瓦の漆喰補修
屋根面同士の合わせ目である棟部には瓦屋根の場合、棟瓦が設置されています。棟瓦には漆喰が使用されていますが、剥がれると雨水が侵入する原因になるため、定期的に漆喰の詰め直しが必要になります。
✔雨樋の清掃・修復
雨樋に落ち葉やゴミが溜まっていて流れを妨げている場合には、ゴミを取り除き詰まりを解消します。破損や変形が起きている場合には、修理や交換が必要です。損傷箇所によっては部分的な交換ができますが、正常な状態で排水能力が不足している場合には、より容量の大きい雨樋に交換することもできます。
台風シーズンの屋根メンテナンス:事前準備と被害への対応
台風シーズンの屋根メンテナンスは、台風に備えた事前準備と台風が去ったあとの被害への対応がメインになります。
チェックポイント
✔屋根材のズレや浮きの確認
屋根材にズレや浮きがあると台風の強風によって飛ばされてしまう可能性があります。屋根材が飛散すると雨漏りのリスクが高まるだけでなく、周辺の住宅や歩行者などに当たってしまう恐れがあるため、念入りに確認するようにしましょう。
✔付帯部分のがたつきチェック
屋根材だけでなく、棟板金やアンテナ、雨樋なども台風に備えてがたつきがないかチェックします。特に棟板金は経年により固定釘が抜けてくるため、棟板金が浮いて隙間ができる場合があり、強風によってめくれたり飛んでいったりするケースがあります。ご自身で屋根を点検できない場合には、専門業者に依頼するのが確実で安全です。
✔強風に対する周囲の事前準備
台風に備えてカーポートや庭に出ている物、庭木など、強風によって飛んだり被害を受けそうなものは、一時的に片づけたり固定を強化するなどの対策をしましょう。
メンテナンスポイント
✔屋根材の固定・補修
屋根材のズレや浮きが確認できる場合には、専門業者による補修が必要です。特に2022年以前に建築された瓦屋根を持つ住宅に関しては、瓦が固定されていないケースがほとんどなため、注意が必要です。屋根の劣化が進んでいて、強風によって被害が出そうな場合には、早めに業者に依頼して対策を講じてもらいましょう。
✔台風後の被害確認・修理
台風が去って気候が落ち着いたら屋根や住宅の被害を確認しましょう。飛来物により屋根材が割れていたり付帯部分が損傷している可能性があります。屋根に上っての確認は危険なため、ご自身での確認は地上から見える部分のみに留めましょう。
✔火災保険の対象になる場合も
台風による住宅の被害は火災保険によって修理費用が賄えるケースもあります。
・保険会社へ連絡
・保険会社から申請書類を受け取る
・申請書類を揃えて保険会社へ提出
・保険会社による鑑定・調査
・保険金を受け取る
一般的には上記のような流れで行いますが、被害箇所の写真や補修工事の見積書などが必要になるケースも多いため、専門業者の協力を得ることがおすすめです。火災保険の対象は、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」の3種類です。原則として、被害を受けてから3年以内に申請を行う必要があり、経年劣化によるものや故意・重大な過失による損害は対象外になります。加入している内容をよく確認して、保険会社へ連絡をするようにしましょう。
積雪シーズンの屋根メンテナンス:積雪や凍結から屋根を守る
積雪シーズンは、積雪や凍結から屋根を守ることを念頭に置いたメンテナンスが必要です。特に積雪が多い地域は屋根や雨樋が傷みやすい時期でもありますが、屋根に雪が積もってしまうと補修などができなくなるため、雪が降り積もる前に屋根を万全な状態にメンテナンスしておきましょう。
チェックポイント
✔屋根材の劣化状況の確認
屋根に雪が積もると屋根は常に濡れた状態になります。屋根材が劣化したままの状態では、雪から溶けた水によって雨漏りのリスクが高まります。屋根材の下には防水シートがありますが、防水シートが傷んでいた場合には、屋根裏に雨水が侵入することもあるため、注意が必要です。
✔雪止め金具のチェック
雪止め金具や雪止め柵を設置している屋根の場合は、しっかりと固定されているか確認しましょう。
✔軒先の積雪による雨樋の破損
軒先に溜まった雪によって雨樋が曲がったり破損したりする場合があります。軒先では屋根の雪解け水が夜の冷気で氷り、塊になって雨樋に付着するケースもあります。
メンテナンスポイント
✔雪止め金具の修復・増設
雪止め金具の固定が緩い場合にはしっかりと固定します。あとから増設することもできるため、屋根からの落雪によって不具合が起こる場合には検討しましょう。
✔雪下ろしが必要な積雪量の確認
その住宅の構造によって屋根の耐雪量(積雪に耐える力)は異なります。冬が始まる前に建築したハウスメーカーなどに確認しておくことをおすすめします。
✔雪下ろしの注意点
屋根の雪が耐雪量を超えた場合には、雪下ろしが必要です。傾斜や屋根の造りによってはご自身で行うこともできますが、落下の危険があるため、業者へ依頼することをおすすめします。積雪が多くなった地域では業者への依頼が増えるため、早めに連絡を行うようにしましょう。
まとめ
この記事では、季節ごとに変わる屋根メンテナンスポイントを解説しました。屋根の劣化状態をチェックし健康な状態に保つことは、年間を通して共通するポイントです。いかなる屋根材も劣化が進行しきってしまうと、大掛かりな屋根の交換工事が必要になるため、定期点検などで屋根の状態を把握しておくようにしましょう。
京都の株式会社Re,ルーフは、職人直営の屋根工事専門店です。年間の屋根メンテナンスに悩んでいる方は、ぜひ株式会社Re,ルーフまでお気軽にご連絡ください。お待ちしております。