施工前

庇を支える骨組みは木造で、かなり老朽化・腐食していました。
建材がいつ崩れてきてもおかしくなく、危険な状態です。外部のモルタル壁や天井の漆喰などが落ちてきていたため、お怪我無いようでほっとしています。
現状の屋根はパラペット（水を塞き止める）屋根で、デザイン重視の納まりとなっており、排水部の植物などの詰まりにより少しずつ雨漏りが発生していたようでした。
今回は屋根下地の補強と軽量化を行い、水が排出されやすい屋根を意識して施工を致しました。

小さな屋根「庇」とは？役割やメンテナンス方法を解説

施工中

まず、問題点のパラペット屋根の形状を変えるところから始めます。
パラペットはぐるっと屋根を囲むように、外壁と続くような形で立ち上がりになっている部分のことです。
排水口が詰まってしまうと、雨はパラペットに遮られ、排出されず溜まり続けます。
今回の雨漏りで木材が腐食してしまったのも、その状況が元でした。

構造用合板という木材を使用し、屋根と壁面の強化をしていきます。
こちらの写真は、合板で構造を作った段階です。

軒天

天井部にはケイカル板という建材を使い、軽量で落下しない天井にしました。

波板取り付け

端から順々に１枚ずつ取り付けていきます。
木材の構造に等間隔にビスを打ちこみ、強風時にもダメージを受けないよう固定します。

軒天の調整

ケイカル板同士の継ぎ目が目立たないよう、調整を行います。
こちらの写真では、まだ下地の調整の跡などが見えていますので、塗装で綺麗に仕上げます。
メンテナンスのなかなかしづらい軒天が清潔だと、印象もパッと明るくなります。

ガルバリウム鋼板取り付け

屋根の淵部分はガルバリウム鋼板にて耐久性を持たせ、なおかつ無駄な重さを省いて軽量化します。
波板と庇の取り合い部に取り付けます。
このように建材同士が接合する部分は、庇に限らず雨漏りの発生リスクなど総じて高いため、とりわけ繊細な手仕事が必要です。

関連記事

京都市西京区にて天井からの雨漏り修理

2023-04-10

完工

以上にて全ての工程が完了です。

軒天の塗装後はこのように仕上がりました。

老朽化してしまっていましたが、新しい屋根材と構造にて、きっちりと収まりました。
屋根は縦葺きの形で、溝にそって雨水が排水されやすく、勾配も十分につけました。
細部の施工にもこだわり、波板と壁の取り合い部にコーキングを仕込み、下地材の劣化がない様にひと工夫致しました。

雨漏り修理や補修に欠かせないシーリング（コーキング）について

今後もご安心の上、お住まいくださいませ。

担当者のコメント

今後の安全性にもご満足いただき、お客さまからのご満足のお声を賜り、何よりです。
屋根が飛んだり、雨漏りなど、急遽のご依頼でも迅速な対応を目指しております。
長期的な視野と迅速さ、どちらも兼ね備えた熟練工が揃っておりますので、京都で屋根に関することならなんなりとご相談ください。

関連記事

京都の雨漏り修理・屋根修理は一級瓦葺き技能士Re,ルーフへ｜問い合わせの流れ

2023-06-01