古民家再生で気をつけたい屋根の「見えない弱点」とは

古民家再生で気をつけたい屋根の「見えない弱点」とは

2026/01/22

古民家を再生して住みたいという方は多いと思います。実際に古民家を再生する際は、様々な工事が必要になります。特に、屋根は、大規模な修繕工事が必要になることが多いです。
古民家再生のポイントについて、特に屋根工事に注目して解説します。

古民家再生のポイント

古民家の再生とは、古い家の設備だけを交換してそのまま住むという単純なものではありません。
本格的な再生の場合は、古民家の壁などを全部撤去して、骨組みが見える状態まで解体します。
そのうえで、骨組みのうち駄目になっている部分は撤去し、新しい木材で補強して、再び、組み立てていくという流れになります。
古材は生かしますが、新材もかなり使いますから、古材と新材の割合は半分ずつといったところです。

古民家の再生で特に注意すべき部位

骨組みが見える状態まで解体する場合は、傷んでいる箇所が見えやすいため、必要な工事を行いやすいでしょう。
一方、現状の形をなるべく残したまま、再生することもあります。
この場合でも、最低限チェックすべき箇所が土台と屋根です。

土台は、建物を支えるための重要な部分です。土台がしっかりしていないと、上層部がいくら強固に柱や梁が組まれていても、倒壊してしまいます。

古民家の場合、床下はベタ基礎になっているわけではなく、土がむき出しになっていることがほとんどです。
そのため、北側部分を中心に湿気が溜まっていて、土台が腐っていることもあります。
このような場合は、一旦家を持ち上げて、地面を鉄筋コンクリートで固めたり、土台部分の取替え工事を行う必要があります。

そして、もう一つ、屋根の部分も注意すべき箇所です。
古民家の場合、屋根は、茅葺きだったり、瓦屋根となっていることが多いです。
例えば、瓦の場合は、耐用年数が50年以上と長いことから、一見するとそのまま使えそうに見えることもあります。
しかし、よく見ると、瓦屋根にズレがあったり、割れている部分が生じていることもあります。
その結果、雨水が内部に浸入していて雨漏りが発生していることもあります。天井や壁に雨染みが生じている場合は、天井や壁の交換だけでなく、屋根の本格的な修理から行う必要があります。

古民家の耐震性補強と屋根材

古民家は、現在の建築基準法が求める耐震基準を満たしていないこともあります。
ただ、古民家が必ずしも地震に弱いわけではありません。
これまで様々な地震が発生する中でも耐えてきたということは、それなりの耐震性があるということです。
現在の建築基準法では、「剛構造」の考え方をベースにしており、筋交いや構造用合板を入れたり、金物で軸組を接合することで建物を強固にして地震に耐えるという発想を採っています。
一方、古民家の場合は、「柔構造」の考え方をベースにしており、複雑な木組みによって、建物の構造を柔らかくすることで、地震の揺れを受け流すという発想を採っています。
このように、考え方が根本的に異なるため、古民家の再生では、建物の特性をよく見て、耐震補強の計画を立てる必要があります。

ただどちらの発想でいくにしても、屋根を軽量化することは、耐震性を向上させるのに役立ちます。
古民家の場合、瓦葺きである上、土葺きにより葺かれていることがあります。
土葺きとは、野地板の上に土を盛って、瓦を葺いていく工法で、屋根が非常に重くなる工法です。
古民家を再生する際は、こうした工法で葺かれた屋根を一旦解体して、乾式工法により葺き直すことで、屋根の重量を大幅に減らすことができます。

古民家の断熱性向上と屋根材

古民家の弱点として、気密性や断熱性に乏しいことが挙げられます。
そもそも、古民家は、部屋の仕切りが襖だけでほとんどなかったり、外に対して開かれた構造になっていて、現在のように、壁や窓できっちり囲って、隙間風を一切通さないという発想ではありません。
古民家の良さを生かしながらも、気密性や断熱性を高めるためには専門家による高度な工事が必要です。
屋根も気密性や断熱性を向上させるための重要な工事ポイントです。

例えば、瓦は、多くの屋根材の中で最も断熱性が高いですが、それだけでは、十分な断熱性を発揮することはできません。
野地板の裏側や天井の裏側に断熱材がなければ、夏場は屋根の熱気が室内におりてきますし、冬場は温まった空気が屋根から逃げてしまいます。
また、瓦屋根にズレがあったり、割れているなどして隙間風が入り込むような状況の場合は、断熱性が期待できないばかりでなく、雨漏りの原因になってしまいます。
そのため、断熱性を高めるうえでも、古民家の再生の際は、屋根工事を行うべきなのです。

古民家再生のデメリット

古民家再生は、歴史的、文化的価値に価値のある建物を保存できることや古材を活用することで環境へ配慮することができるといった様々なメリットがあります。
一方で、古民家再生にはデメリットもあるので注意が必要です。

コストが高い

古民家再生では、新築と同じくらいのコストがかかることも多いです。
もしも、新しい家を立てるよりもコストが抑えられるはずと考えて古民家再生を選んでいる場合は思い違いになってしまうので注意しましょう。

古民家再生では屋根修理だけで済むことは少なく、一旦、骨組み状態まで解体が必要なこともあります。
土台の工事が必要な場合は、揚屋工事という特殊な工事が必要になります。
そのうえで、現在の建築基準法に合わせるために、様々な補修工事や追加の工事が必要になります。

高い技術と知識が必要

古民家は現在の建築基準法に基づく設計で作られているわけではありません。
そのため、現在の建築技術しか知らない業者の場合は、古民家再生と言っても何をすればよいのか分かっておらず、無理やり、現在の基準に合わせようとして、古民家の良さを消してしまったり、見当違いの工事をしてしまうこともあります。
そのため、古民家再生に詳しい業者に依頼することが必須になりますが、そうした業者は少なくなっているのが実情です。

法規制をクリアするのが難しい

古民家が歴史的な価値を持つ場合は、再生するにしても様々な法規制を受けることが多いです。
特に建物の外観については、大きく変えることができないことがほとんどです。
屋根材についても、色や形状が規制されていたり、用いるべき瓦の種類を決められていることもあります。
そのため、ご自身の思い通りのリフォーム工事ができないこともあります。

断熱性や耐震面で不安が残ることも多い

古民家では、断熱性と耐震性を高めることが大きな課題になりがちです。
断熱性や気密性を高めようとすると、開放感のある古民家の良さが失われてしまいます。耐震性を高める目的で、壁量を増やす場合も同様です。
一方で、古民家の良さを残そうとすると、エアコンが当たり前の現在では住みづらい家になってしまいますし、耐震性に不安を残すことになります。
こうしたジレンマとどう向き合うかが古民家再生の大きな課題になります。

設備の更新が必要

古民家では台所やお風呂場、トイレなどが、昔ながらの古い状態のままで、現在の生活になれた方には使いづらい事が少なくありません。
また、配管などは古くなっていて水漏れリスクが高まっているため、すべて交換する必要があります。
そのため、全面的なリフォームが必要になり、そのコストがかかることはもちろんですが、古民家の良さをどのように残すべきなのかという大きな課題も生じます。

部屋の奥が暗くなりがち

古民家の場合、軒の出が長いことがあります。
軒を長く出すことで、夏場は、日差しを遮ることができます。一方で、冬場は日が低く差し込むため、部屋の奥まで日が差し込みやすいため、合理的な設計になっていると言えるわけです。
しかし、現在では、室温はエアコンで調節できるので、軒の出が長いことはあまり意味がないこともあります。
むしろ、部屋の奥に日差しが入らず、昼間でも暗い状態になってしまうことも少なくありません。
部屋が暗いと気持ちも沈みがちになり、思ったのとは違っていたということになりかねません。

光熱費が高くなる

古民家は開放的な作りになっていて、どの部屋も広いため、光熱費がかかってしまうことも多いです。
さらに、断熱材が十分に入っておらず、部屋を遮るのも襖だけという状態だと、エアコンも効きにくくなり、夏場は暑く、冬は寒い家になりがちです。
エアコンが当たり前の生活に慣れている方は、思ったのと違っていたという状態になりやすいのでよく検討することが大切です。

古民家の再生で失敗しないためには?

古民家は、現在の住宅とは、全く異なる家です。
古民家を再生する際は、屋根工事がほぼ必須になることはもちろんですが、それ以外にも様々な工事が必要になり、新築と変わらない費用がかかります。
更に、古民家の住み心地も、現在の住宅とは異なるため、その違いを受け入れられるかどうかがポイントです。

古民家を再生する前に、まずは、古民家のことをよく知ったうえで、古民家を手に入れる際も、どのような工事が必要になるのか、専門家に相談しながら確認し、しっかりした計画を立てることが大切です。

まとめ

古民家再生は、簡単なことではありませんが、しっかり計画を立てることで、理想の住まいに再生することができます。
Re,ルーフは、京都市右京区を中心に活躍する屋根工事職人直営店です。京都市や亀岡市などを中心に京都府全域で屋根工事や雨漏り修理工事を承っています。職人直営店なので、本当に工事に必要な費用だけで屋根工事や雨漏り修理工事を行うことができます。
古民家再生に伴う屋根工事にも対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。